遅いフライトへの変更に応じた私は、約38万円を得た。そんなオファーがあった際の決断方法とは?(海外)
座席を譲る代わりに旅行券や補償を受ける方法
旅行のピークシーズンは、悪天候や機械の不具合など、フライトのトラブルが起こりやすい時期でもある。休暇シーズンが近づいてくると、誰もが私と同じような状況に遭遇する可能性がある。旅行スケジュールに余裕があって、突然の変更に対応できる場合、旅行券と引き換えに座席を譲るつもりなら、以下の点を知っておこう。 オーバーブッキングになる理由: 商業航空事業には多大な費用がかかるため、ほとんどの航空会社が、実際には空港へやってこない人や、出発直前のキャンセルを見込んで、すべてのフライトで座席数よりも少し多めに航空券を販売する。通常、この複雑な方法はうまく機能するので、ほとんどの旅行者は何の問題もなく、予約した飛行機に乗ることができる。 しかし、たまにではあるが、飛行機の座席数よりも多くの乗客が集まってくることがある。私の場合、前のフライトが嵐でキャンセルとなり、その乗客の多くが予約をし直したため、私のフライトがオーバーブッキングになった。 乗客が多すぎるとき、何人かが飛行機を降りなければならない。そのような場合、影響を受ける乗客に補償する方法を、アメリカでは運輸省が厳格に規定している。航空消費者保護ガイドラインに、航空会社は強制的な退去を求める前に、まずは自発的な退去者を募らなければならないと書かれている。 旅行者は補償内容を交渉できる: 航空会社は不便に対する見返りとして、現金や旅行券を支給するが、その額は決まっていない。自発的に席を譲る旅行者には、航空会社に希望を伝えて、交渉する権利が認められている。望みどおりの補償が得られるかどうかは、航空会社の都合による。結局のところ、このオファーはすべての乗客に向けられており、必要な座席が得られれば、それで終わりなのだから。 運輸省は、次の問いを検討するよう推奨している。 座席が確保できる次の直行便はいつ? 次の便がすでに満席の場合、あなたは2度目の補償を受けることもなく、さらに次の便まで待つ必要が生じるかもしれない。 食事、宿泊、空港からホテルまでの移動なども、航空会社から無料で提供される? 現金ではなく旅行券をもらう場合、その有効期限は? 利用できない日時があったり、休暇時期や旅行のピークシーズンで利用が制限されたりする? 旅行券は国際便やファーストクラスにも使える? それともエコノミークラスだけ? のちの払い戻しに備えて出費を記録する: 航空会社がホテルや食事を手配した場合でも、追加の出費が生じる場合もある。私の場合、航空会社がホテル宿泊券でミスをしたため、普段からよく利用している旅行保険付きのクレジットカードを使って、ひとまず自腹で宿泊費を支払い、のちに自宅から宿泊費の払い戻しを求めなければならなかった。 荷物を預けた場合、座席を譲った時点で荷物はすでに飛行機に積み込まれていることがあり、その場合は、しばらくのあいだそれらとお別れということになる。基本的に、しばらくは手元にあるものだけで過ごすことになるが、場合によっては歯磨きや靴下など、ちょっとした衛生用品や必需品を買う必要が生じることもあり、のちにその代金を航空会社に請求することになる。 優れた旅行特典付きのクレジットカードも、そのカードを使って支払ったフライトが遅延した場合に生じた雑費をカバーする特典を提供している。しかしながら、そうした特典は自発的に座席を譲った場合には適用されない恐れもある。したがって、買い物をする前にクレジットカード会社に確認をしたほうがいいだろう(あるいはすべてを自己負担で支払う)。 面倒と代償を比較する: 数千ドルの旅行券をもらえるという誘惑にすぐに屈するのではなく、自分の状況をよく考えること。決まった時間に特定の場所にいなければならない場合、代わりとなる別の便がその時間までに目的地に到着する保証はどこにもないのだ。 ほかの誰かといっしょに旅をしている場合は、座席を譲るのはいいアイデアではない。特に、同行者が未成年、高齢者、あるいは特別なサポートを必要とする人ならなおさらだ。航空会社が全員分の補償をする場合でも、全員が並んで乗れる別の便を見つけるのは難しく、もともと乗る予定だった飛行機ほどの利点は得られないかもしれない。 航空会社のアプリで自発的に席を譲れることもある: ゲートで、あるいは私の場合のように飛行機内で、降りてくれる人を募るのは時間がかかるため、最近では旅行客との直接通信を通じて、このプロセスを効率化する航空会社も出てきている。航空会社のアプリを通じてフライトのチェックインをした場合、追加料金なしで別のフライトを選ぶ気がないか質問されたり、いくつかの価格提示とともに席を自発的に譲る機会が提供されたりすることがある。