【ラジオNIKKEI賞回顧】ハイペースの展開ハマったオフトレイル 今後は狙い時を見定めたいタイプ
サトノシュトラーセは広いコースで
2着シリウスコルトは福島特有の流れにも対応し見せ場たっぷり。強い競馬をしたのは間違いなし。3着だった弥生賞ディープインパクト記念では前後半1000m1:00.4-59.4で、残り600m11.7-11.4-12.0。4コーナーから坂下まできっちり加速ラップを描いた。まくったコスモキュランダも強かったが、逃げて加速したシリウスコルトも我慢強い。速い流れのなか一旦控えて早めに動くという地力勝負に出た形は評価できる。遅ければ動いて自分の形に持ち込む。そんなスタイルを貫けばチャンスはあるだろう。 3着ヤマニンアドホックは4月山藤賞以来の競馬で力関係が読みにくかったが、54キロでこの相手なら通用するということか。ハンデに恵まれた面は否定できず、今後も取り扱いが難しい。自己条件の2勝クラスならあっさり突破もあるが相手なりという可能性も。1:45.5と時計を縮められたのも馬場とペースの恩恵を感じる。重賞3着は額面通りに受けとれない。 1番人気9着サトノシュトラーセは速い流れに戸惑い後方追走。オフトレイルがハマったことを考えれば勝ちに動いたのが裏目に出た。とはいえ、小回り福島では勝ちに動く方が自然というもの。結果的にチグハグになったが、これは責められない。京都内回り、小倉で計2勝と小回りを苦にしなさそうだが、ある程度自分のペースで運べる遅い流れでこそ。過去の戦歴にとらわれず、広いコースを試してもいいかもしれない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳