〝今永効果〟で中日・小笠原慎之介の評価一変 「日本の左投手はメジャーで結果を残せない」の固定観念薄れる
MLBのウインターミーティング(WM)が8日(日本時間9日)から米テキサス州ダラスで開幕し、佐々木朗希投手(23=ロッテ)や菅野智之(35=巨人)ら日本選手も夢の実現へ本格的に動き出す。昨オフには今永昇太投手(31)もDeNAからカブスに移籍。小兵ながらいきなり15勝をマークしたことで、同じ左腕の小笠原慎之介投手(27=中日)の評価にも〝今永革命〟がもたらされそうだという。 【写真】レッドソックス・上沢直之 米1年目で不本意な帰国 WMには全30球団の幹部や代理人が集結し、激しい攻防が繰り広げられる。今永は昨オフに4年5300万ドル(約79億円=当時)で移籍したが、大谷が10年総額7億ドル(約1015億円)、山本も12年総額3億2500万ドル(約465億円)の超大型契約を締結。多くのスポットライトを浴びることはなかった。 しかし、5月末に初黒星を喫するまでの9戦で無傷の5連勝。防御率は驚異の0点台を記録した。シーズン最後も6連勝で締めくくり、15勝3敗、防御率2・91の好成績だった。日本選手左腕の最多勝記録も塗り替える快進撃。いつしか米メディアの評価も「お買い得」「掘り出し物」と一変した。 その活躍もあり、ポスティングシステムでメジャー挑戦を目指す小笠原への見方も変化したという。日米球界に精通する球界関係者は「今永は身長(178センチ)が高くない中でもここまでの活躍を見せた。特に日本の左投手はメジャーであまり結果を残せてこなかったが、彼のブレークで固定観念が薄れた。おかげで小笠原が面白い存在になりそうだ」と打ち明ける。 小笠原は今永と2センチ差の180センチ。大柄の部類ではないが、今永の活躍ぶりで〝偏見〟は取り払われたという。また、小笠原には3年連続で「投手4冠」の快挙を達成した山本のような圧倒的な実績はない。勝利数もNPB通算46勝で今季は5勝11敗、昨季も7勝12敗で黒星が先行している。 だが、前出関係者は「三振でアウトを取れるタイプではないが、小笠原はイニングを稼げることが強み。黒星が多いのは登板時にバッター陣が打てなかったからだ」と語る。小笠原は2021年から4年連続で140イニング以上に登板しており、打線の援護さえあれば勝ち星もついてくるとみている。 小笠原にはエンゼルスなどが関心を示しているとされる。レッテルをはがされた左腕にはどんな契約が舞い込むのか。
東スポWEB