「このままだと成長はない」家も車も売ってアメリカへ ソフトバンク4年ぶり優勝を支えた倉野信次投手コーチの決断
投手陣を預かる最高責任者として、ホークスの4年ぶりのリーグ優勝を支えた。倉野信次投手コーチは小久保監督と同じ青学大出身。「ホークスの投手陣を任せたい。立て直してくれないか」。先輩からの誘いに迷いはなかった。優勝を飾った指揮官の姿を見つめ「責任の大きな立場で精神的にしんどい時期もあった。だからこそうれしいです」と喜びをかみしめた。【#OTTOホークス優勝特集】 ■松葉杖でグラウンドへ…近藤が小久保監督と熱い抱擁【写真】 1997年に当時のダイエー入り。11年間の現役生活で19勝を挙げた。「誇れるような成績は残していない。(1、2軍を行き来する)エレベーター選手で終わった」。2009年からコーチを務めると、千賀滉大(米大リーグ、メッツ)を育てるなど手腕を発揮し、統括コーチも任された。21年で退団。選んだ道は給与保証も全くないコーチ留学だった。 「このままだとこれ以上の成長はない。コーチとしてのスキルを身につけたい」。家族を説得し、福岡の家や車も手放した。米レンジャーズ傘下でコーチ研修。朝4時半に起き自身のトレーニング後にコーチ業に臨む。英語で書かれたデータやリポートを翻訳するだけでも一苦労。仕事が認められ2年目は同マイナー投手育成コーチとして契約を結んだ。昨秋、1軍監督に就任した小久保監督からチーム復帰を願われ、帰ってきた。 膨大なデータを活用する米国の長所を取り入れつつ、日本流に落とし込む作業を行った。投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターという肩書で投手陣を再建。「コーチ業は人を動かすこと。自分ではどうすることもできない。投手を信じて、あとは祈ります」と笑った。米国での日々は著書にもまとめた。「日記なので読みやすいですよ」。三重県出身。50歳。(小畑大悟) 【おすすめ記事 優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼
西日本新聞社