74歳ひとり暮らしがやっている「災害への備え」。自宅の工夫、防災グッズの中身
昨今、心配される震災や夏の水害。だれもが災害に向けて日頃からの備えを意識するようになりました。高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしている、美術エッセイストの小笠原洋子さんは、「高齢者のひとり暮らしだからこそ備えは十分にしておきたい」と語ります。どのように備えているのか教えてもらいました。 【写真】小笠原さんの防災グッズ
家具が転倒しないか家のなかをしっかり確認
先日大きな地震がありましたね。ひとり暮らしだからこそ、大地震への備えや日頃の防災対策を、今こそ徹底しておきたいと思います。 まず、家具が転倒や移動しないよう、転倒防止用伸縮棒や、家具の下に入れて踏ん張る板や、転倒防止マットなどをチェック。とくに寝室には注意を払って、頭にタンスの引き出しなどが落下してこないように再確認しました。 棚からもものがどんどん落ちてきたり、家具が倒れたりすれば、どうしても外へ飛び出したくなる気持ちも起こるでしょうが、危険なことです。でも外への出口が開かなくならないよう、注意することも必要です。恐怖の最中一挙に、様々な即決や行動が求められるので、とにかく落ち着きと冷静さが大事ですね。 そんな私は「ひとり防災訓練」を時々試みています。たとえば、玄関扉がゆがんで開かなくならないようにするため、玄関の隅に小さな箱を用意しました。大きな揺れがきたら扉を少しあけて、その箱を差し入れようと思っています。
持ち出し袋に入っているものを確認
次に、すでに準備してある非常持ち出し袋の中を調べてみることにしました。そして避難すべきとき、すぐに動きが取りやすいような場所に置き直しました。でも、動きをとるため、入れるものはなるべく少なくするように配慮しました。そもそも、非常持出しと書かれた企画サイズのリュックは、詰められるだけ詰めると高齢の私には重過ぎて、とても背負っては逃げられないと気づいたのです。 よく言われているのが、リュックではなく「防災ベスト」。ポケットが多めについた、軽くて上質な素材を見つけましたが、一万円ほどして年金暮らしの私には高額過ぎましたので、これに代わる、薄手で大きなポケットが内側にもついたブルゾンを、持ち服の中から見つけて、それに最低限度の防災グッズ入れにすることにしました。 入れた物は、タオル、ヘッドライト、レインコート、給水袋、ゼリー飲料と固形食を一個ずつ、常備薬と携帯トイレです。このブルゾンを着てから、普段持ち歩いているショルダーバッグを下げれば準備万端です。ショルダーバッグには現金(1000円札と小銭が必要です)や、携帯電話ほか、普段入れて持ち歩いている小物一式が入っています。あれもこれもと思いますが、何度も考えて必要最低限のものを選びました。