“夏のスタミナ食”ウナギがピンチ…備長炭が値上げで 焼き鳥店も困惑
日テレNEWS NNN
24日は土用の丑の日ですが、うなぎをおいしく焼くのに欠かせない「備長炭」が値上げをしています。うなぎ店や焼き鳥店からは困惑の声が聞かれます。
24日は土用の丑(うし)の日。都内のデパ地下で行われていたのは、うなぎのフェアです。専門店や老舗など、12店舗がさまざまな“うなぎグルメ”を販売していました。 お客さん 「夏バテ防止で」 「高いのでなかなか…きょうだけですよ」 “夏のスタミナ食”うなぎ。しかし、おいしく焼くための炭がピンチを迎えているのです。 ◇ 東京・豊島区にあるうなぎの老舗「大塚うなぎ 宮川」。こだわりは安定した火力を保(たも)てるという国産の備長炭です。 大塚うなぎ 宮川 八馬誠代表 「中までしっかり火が通って、表面パリっとさせてうまみを閉じ込める。お重を開けた時に違う、炭の香りを感じられる」 土用の丑の日など、夏場は特に需要が高まる備長炭ですが… 大塚うなぎ 宮川 八馬誠代表 「(備長炭が)品薄と聞いていたのは半年ぐらい前から。値段が上がったのは先月ぐらい。うなぎ屋はまず匂いで誘うところから入る。炭はうなぎに欠かせない」 うなぎ自体が高騰している上、備長炭の仕入れ値が1割ほど上がっているというのです。
産地では何が起きているのでしょうか。国内で生産される備長炭の約3分の1を占める和歌山県。中でも最高級品とされる「紀州備長炭」を生産するみなべ町では… みなべ町備長炭生産者組合 岡崎光男会長 「高齢の人が多い。若い人が別の仕事する人が多い」 生産者の高齢化と後継者不足が年々深刻に。その上… みなべ町備長炭生産者組合 岡崎光男会長 「原材料のウバメガシが少なくなって、入手困難なところもある」 紀州備長炭に欠かせない「ウバメガシ」の木を伐採しすぎて成長が間に合わず、作りたくても作れないため… みなべ町備長炭生産者組合 岡崎光男会長 「今年の1月頃までは息子と一緒にやっていたが、別の仕事に就いている。(収入面で)おそらくやっていけない。離れていく若者は多い」 みなべ町では、ここ20年で備長炭の生産量は3分の1に、生産者の数は半分ほどに減少しています。(20年前:約300トン 2022年:約100トン ※出典:和歌山県など)