雪山に慣れるために挑戦しやすいルートを紹介『雪山日帰りルート16』【後編】
コースタイム
3時間50分。
総距離
5。0km。
アドバイス
ルート上にはとくに危険な箇所はなく、足元は10本爪以上のクランポン、アイスアックスではなくトレッ キングポールで登ることができる。 下山後は甲子温泉で汗を流すといい。
アクセス
JR東北本線新白河駅高原口から新甲子バス停までバスで約40分。 そこから徒歩約1時間で登山口に到着する。 クルマの場合は、東北自動車道白河ICより約20㎞、およそ30分で甲子温泉大黒屋に到着。
【11.三峰山】厳冬期に自然が生み出す氷の華が見られる
三峰山は奈良県の東部、御杖村にある日本三百名山のひとつ。標高は1、235mと高くはないが、冬になると樹木にできる霧氷が有名で、毎年多くの登山者が訪れている。 登山口からは車道も利用しながら山頂に向けて歩いていこう。よく整備された道なので、危険箇所はほとんどない。 「三峰山は樹林が美しいので一年をとおしておすすめしたい山ですが、冬はとくに霧氷がすばらしい。シロヤシオの群生地である八丁平では、強風が作り出す見事な霧氷林を楽しめます」(ロッジ大阪店・瀧倉さん)。 例年、霧氷が見ごろをむかえるシーズンにあわせて、麓にある、みつえ青年旅行村では「三峰山 霧氷まつ り」を土日祝日に開催している。 地域の特産品なども販売しているので、下山後に立ち寄ってみるのもいいだろう。 氷の華とも呼ばれる樹木の枝に現れる霧氷が三峰山の冬の名物。鑑賞できる期間は短く、主に厳冬期の1~3月に楽しめる。
コースタイム
4時間40分。
総距離
9。0km。
アドバイス
雪が深い場合は6本爪のクランポンが最適だが、山麓では歩きにくい。 路面が氷結している場合はチェーンスパイクがおすすめになるが、今度は山頂部の雪道が滑りやすい。 適宜、道具を使い分けよう。
【12.武奈ヶ岳】厳冬期でも入山者が多い比良山系の盟主
滋賀県にあり、琵琶湖の西側で南北に連なる比良山地。 その山域の最高峰が、標高1、214mの武奈か岳だ。 スタート地点は西側の麓にある坊村の集落。ここから御殿山ルートをたどって、まずは御殿山に登る。さらに北に向かって一度標高を下げるとワサビ峠。この先が武奈か岳の山頂だ。 「山頂からは、東に琵琶湖と鈴鹿山脈、西に京都北山、南に大比叡・湖南アルプス、北に伊吹山と白山と、360度山並みを一望することができ、しばし時間を忘れさせてくれる絶景に出会えます。バリエーションを含め複数のルートを楽しめるのも魅力です」(ロッジ大坂・瀧倉さん)。 帰路は往路を戻らず、山頂から北尾根を少し降りた地点から北西に派生する通称「細川尾根」を一気に下山するのが近道。ブナ林も堪能できる。 写真提供:びわ湖大津観光協会。 琵琶湖の対岸から望む比良山地。標高は決して高くないが、雪を被り湖上に浮かぶようにどっしりと構える山容は見応えがある。