がんばりすぎて疲れてしまう前に 「ささやかなもの」に目を向けてみよう
俳句以外に、こんな方法も
もちろん同じような効果が得られるのなら、俳句にこだわらなくてもいいのです。日ごろの常識や思い込みから一歩身を引いて、自分と自分のまわりを新鮮なまなざしで眺めるきっかけであればいいのです。 たとえば、自分の中に小さな妖精を育てて、時折それに語りかける。電車の窓からビルが見えるとき、「ほら、窓ガラスに日の光がキラキラ反射してきれいだよ」とか。仕事で失敗したとか「ああ、またバカなことをしたね」とか。自問自答ではなく、誰かに語りかけること、誰かに何かを言葉で伝えようとすることは、「いまこの時のかけがえのない価値」を感じ取り、「一歩引いて自分を客観的に、冷静に観察する」きっかけになるかもしれません。 (心療内科医・松田ゆたか)