センバツ高校野球 山梨に避難、日本航空石川 「活躍で恩返ししたい」 /山梨
能登半島地震で被災し系列校の日本航空高山梨キャンパス(山梨県甲斐市)に避難している日本航空石川(石川県輪島市)は吉報を避難先で聞いた。選手たちは校名を呼ばれても顔を上げた程度と喜びの表現は控えめ。被災地の苦境を思ってか涙ぐむ選手もいた。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち チームには全国から選手が集まり、元日は帰省していた。昨秋の石川県大会、北信越大会でメンバー入りした富山県出身の4選手は実家などで大きな揺れに襲われた。猶明光絆(ゆうめいこうき)(1年)は「育った氷見も被災した。恩返ししたい」と自分たちの活躍で被災者を勇気付けるつもりだ。 富山出身は、猶明と小中学校で同級生の長井孝誠(1年)と、高岡市出身の北岡颯之介(2年)、射水市出身の久々江(くぐえ)翔吾(同)で、地震発生で「野球のことは考えられなくなった」と声をそろえる。 しかし、山梨を拠点に野球ができる環境が用意され、練習場所の富士川町では地元住民らが炊き出しなどで元気付けてくれた。長井は「この環境だったり、地域の方々の差し入れだったり、支えてくださった人の分までしっかり頑張りたい」。甲子園は恩返しの場になる。【大和田香織、鈴木英世】