【動画】道頓堀グリコ初代看板「色」発見、神戸の博物館にカラー映像/大阪
1935年(昭和10年)の登場以来、現在の5代目(8月17日で消灯)まで、約80年にわたり大阪市中央区道頓堀の名物となっている「グリコ看板」。現在では「大阪市指定景観形成物」にも認定されている同看板だが、江崎グリコ(本社・大阪市)に記念すべき初代看板(1935~1943年)の色を示した資料がなく、本サイトなどメディアで「色情報」の提供を呼びかけていた。それから1か月、記事を見た人から多くの情報提供があったが「当時の資料映像がある」という有力な情報が神戸の博物館から寄せられた。11日に博物館を訪ねてみると、なんと「カラー映像」が存在し謎とされていた「色」を確認することができた。同社担当者は「あの時代にこうしたカラー映像があったなんてすごい」と喜びをあらわにしている。
1937年ごろのカラー映像で発見
「『昔のグリコ看板のカラー映像があったなぁ』と思ってたら、やっぱりありました。数秒ですけど仕事柄そういうものは目に留まるので」と語るのは、今回の情報提供者である神戸市立博物館の学芸員、勝盛典子さん。同博物館の礎となっている兵庫出身のコレクター、池長孟(1891~1955年)のコレクションのひとつ「16ミリカラーフィルム」に道頓堀の風景があったという。 勝盛さんによると、池永孟は1937年から翌年にかけ、米国コダック社製のアマチュア用カラー16ミリで国内の風景を撮影していたという。「池長孟の父親がカメラ好きだった影響からか手に入れたようです。この映像は単純な趣味のため、家族と過ごしているプライベートな風景もたくさんあります。ただ当時の状況から、1937年ごろに国内を映した『カラー映像』というのはかなり貴重です」と話す。
点滅するように光る「初代グリコ看板」の色を確認
しかし、そのプライベートな映像に、1937年ごろに撮影したとされる道頓堀の夜の風景があった。同博物館の視聴スペースで映像を確認すると、企業名を右から左へ表記するなど、時代を感じさせる数々の看板ネオンが映る中、数秒にわたり「グリコ」と書かれた看板が下から見上げるように映し出された。 その瞬間、同社社員は「あったー」と大きな声で叫び、食い入るような目で色を確認。資料に記されていた「トレードマークのランナーと『グリコ』の文字が変化し、同時に毎分19回点滅する花模様で彩った」とされる部分など「色の変化」を確認した。 映像をみた同社グループ広報部マネジャーの吉本宏さんは「電話を頂き、見せて頂くまでもワクワクしたけど、これを目の当たりにしてもっとワクワクしてます。色は緑色にもみえますが、いま目で確認した限り、白またはピンクにも見えますね」と話す。同社には「白とピンクに光っていた」という情報もいくつか寄せられており、それとも一致する。しかし「年代からしてカラー映像で確認できるとは思っていなかったので、本当にうれしい。それと、たくさんのお客様からお電話、または写真提供なども頂いており、あの看板を愛して頂いてるんだと改めて思います」と少し興奮気味に話していた。