子どもが他人の服に触ってしまった…汚れていないのにクリーニング代請求されたら応じる必要ある?
「他人の手で触られたこと自体が不快」
混み合ったテーマパーク内で、手にしていた飲み物が他人にかかって服を汚してしまったり、反対に汚されたりした経験はありませんか。明らかに相手の服を汚してしまった場合には、クリーニング代を支払うなどの対応が必要かもしれませんが、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、汚したように見えないのにクリーニング代を請求されたという女性から投稿が寄せられました。そんな場合、クリーニング代を支払う必要はあるのでしょうか。弁護士の正木絢生さんに聞きました。 トピ主の「秋」さんがつづったのは、6歳の息子とテーマパークのアトラクションを待つ列に並んでいた時の出来事。息子が前に並んでいた女性のロングワンピースの裾を手でつかんでしまい、トピ主さんはすぐに「すみません」と謝ったものの、その女性から「クリーニング代、お支払いいただけますか」と言われたのです。 服が汚れたようには見えなかったため、トピ主さんが「どこか汚してしまいましたか?」と尋ねると、「食べ物の汚れや皮脂がついているかもしれないし、他人の手で無断で触られたこと自体が不快」と言われました。女性は、トピ主さんの息子が手づかみで食べていたポップコーンの油を気にしたのです。 しまいに女性は「さっきから何度もぶつかられたり、靴踏まれたりしてるんですよ」と声を荒らげたといいます。 その場で女性と電話番号を交換すると、後日、女性からクリーニング代として8000円を請求する連絡がありました。トピ主さんは「息子はテンションが上がっていましたが、軽く背中やかかとが当たってしまった程度。それに、汗ばむくらいの気温だったので、息子が触っていなくてもクリーニングには出したはず」とモヤモヤが収まりません。夫も「汚していないんだから支払うな」と言っています。迷った末に、トピ主さんは「私はクリーニング代を払う必要はありますか」と発言小町に問いかけました。 このトピには、300件を超えるレス(反響)がありました。 汚れが見えないのなら支払う必要がないと主張するのは、「通りすがり」さんです。「子どもの手に泥が付着して服を汚したのなら責任はあるでしょうが、目に見える汚れがなく、それが不快だというだけでは責任は認められない」という見解を示しました。「結月」さんも「汚れていたらまっとうな理由があり、汚した責任として支払う義務がありますが、そうでなければ支払いは不要です」と言い切ります。 一方、支払う必要があるとしたのは「コビー」さんです。「クリーニング代は高いかもしれないけど、その女性は不快な思いをしたんだよね。迷惑をかけたお代だと思って支払ってください」と、子どもに大事な服をつかまれた女性の気持ちに寄り添います。「ぽん」さんも「金額に納得はいかないけど、いつまでも悩むのが嫌なので勉強代だと思って私なら払います。だって自分のしつけが出来てなくて、子どもが迷惑をかけたのは事実だもの」とコメントし、トピ主さんに落ち度があったと指摘しました。 トピ主さんがクリーニング代の半分を負担することで、折り合いをつけるのはどうかという提案もありました。「さち」さんは「手でつかんでたのは事実なんだから、払う必要はあると思いますよ。折半のお願いでもしたらどうですか」とアドバイスします。「あ。」さんも「クリーニング代を負担する義理は全くないけれど、迷惑をかけたようなので半額負担して差し上げます」との考えです。