世界ランキングツアー “格下”英国ツアーが承認されて、リブゴルフの申請が却下されたのは何故なのか
「新たな指標が必要」と主張するゴーチ
しかし、テーラー・ゴーチが特別招待されたことには、多数の疑問の声が上がっている。 ゴーチの世界ランキングは644位まで低下しているが、世界の舞台へ自力で挑んでランクアップを図るといった前向きな姿勢はまったく見られず、「世界ランキングに代わる新たな指標を創設し、リブゴルフ選手を正当に評価してほしい」という主張ばかりを続けている。 挙句の果てに、彼は今年のマスターズ開幕前、ロリー・マキロイが悲願の初優勝とキャリア・グランドスラムの達成を目指していることに言及し、「もしもマキロイがキャリア・グランドスラムを達成しても、世界のベストプレーヤーであるリブゴルフ選手の多くが不在の中では(本物ではなく)米印付きにすぎない」と言ってゴルフファンの反感を買った。 そんなゴーチが「なぜ全米プロに特別招待されたのか?」と疑問視する記事が米メディアから次々に発信されたが、いまのところPGAオブ・アメリカから「なぜ」に対する返答は聞こえてこない。
ライダーカップの出場資格について新情報
ところで、「リブゴルフ選手がいなくては困る」という祈りにも似た声も、実はある。 昨年末、スペイン出身のジョン・ラームがリブゴルフへの移籍を発表してからというもの、北アイルランド出身のマキロイは「こうなったらライダーカップの出場資格を見直してもらう必要がある」と悲痛な声を上げていた。 マキロイとラームは米欧対抗戦のライダーカップで、欧州チームの主力選手として一緒に戦ってきたチームメイトだ。しかし、ライダーカップの出場資格には「PGAツアーかDPワールドツアーのメンバーシップを有すること」と記されているため、リブゴルフ選手となったラームはもはやは出場できなくなったと思われた。 ところが、DPワールドツアーの新会長となったガイ・キニングスCEOは先日、耳よりな発言をした。 「何か勘違いをされているようだが、ライダーカップの出場資格の規定を見直す必要はない。現行のルールのままでも、ジョン・ラームやティレル・ハットンは罰金さえ払えば、ライダーカップの出場資格を維持することができる」 DPワールドツアーの大会をスキップして同週開催のリブゴルフの大会に出場したことに対する罰金を支払うことで、彼らのDPワールドツアーのメンバーシップは有効な状態になり、ライダーカップ出場の道も開けるというキニングスCEOの説明は、マキロイをはじめとする欧州選手にとっても、欧州出身のリブゴルフ選手にとっても、ビッグな朗報だった。