エヌビディア、トヨタへ最新半導体の供給発表…自動運転の次世代車向け
【ラスベガス=小林泰裕】米半導体大手エヌビディアは6日、トヨタ自動車の次世代車両向けに、自動運転の開発に適した最新の半導体を供給すると発表した。トヨタは世界トップの半導体企業から高性能の半導体を調達することで、自動運転技術の開発を進める狙いがある。 【図】エヌビディアの業績、右肩上がりが続いている
発表によれば、データの処理や保存など、複数の機能を持つ最新の半導体をトヨタに供給する。従来の半導体より小型で高速処理が可能で、自動運転の開発に適しているという。車両の運転制御を行う基本ソフトウェア(OS)もエヌビディアから供給される。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は6日、米西部ネバダ州ラスベガスで行われた世界最大級の家電・IT展示会「CES(セス)」の講演で、「トヨタとの協業を発表できることを非常にうれしく思う」と話した。
現時点で、エヌビディア製の最新半導体を搭載する車種や具体的な量産開始時期は明らかになっていない。エヌビディアによれば、複数のトヨタ車に搭載される見通しで、量産開始には3~4年かかる可能性がある。
トヨタは現在、ハンドルやブレーキ操作の一部を自動で行う「レベル2」を搭載した車両を販売している。特定の条件下で全ての運転操作を自動で行う「レベル4」の開発も進めているが、大量のデータを車両に搭載した半導体で高速処理する必要があり、高性能な半導体の調達が不可欠となっていた。
トヨタは2017年にエヌビディアとの協業を発表し、エヌビディア製の半導体を利用していたが、その範囲は限定的だった。調達関係を強化することで、自動運転の開発を加速させる方針だ。