日本郵便、買いたたき疑いでも公取委から指導 対応改善表明の後に
日本郵便が、宅配便「ゆうパック」の委託先の配送業者から求められた、コスト上昇分を委託料に反映する価格転嫁に十分に応じなかったなどとして、公正取引委員会が昨年6月、下請法違反(買いたたき)の疑いで同社を行政指導していたことが関係者への取材でわかった。 【画像】ゆうパック配達「罰金なんて時代錯誤」 たばこの苦情で「10万円」 日本郵便を巡っては、一部の郵便局が顧客の苦情の際などにゆうパックの委託業者から不当に高額な違約金を受け取り、公取委に昨年、同法違反(不当な経済上の利益の提供要請)を認定され、行政指導を受けたことが判明している。 ■価格転嫁「最低評価」だった日本郵便 価格転嫁については中小企業庁が2023年2月、物価高騰によるコスト上昇分が下請け業者の取引価格に適切に反映されているか、調査した結果を公表した。様々な業種の下請け15万社が調査対象で、下請け10社以上から名前が挙がった発注元150社のうち、最低評価が日本郵便だった。調査では、コスト上昇分をどの程度価格に反映できたかを下請け業者の回答をもとに点数化。「コストが上昇しているにもかかわらず減額された」との回答はマイナス3点で、平均点が「0点未満」となったのは日本郵便だけだった。 総務省は23年3月末、日本郵便の23年度の事業計画を認可する際に、委託先企業との価格転嫁について積極的に協議や相談に応じ、適正な条件で契約するよう要求した。
朝日新聞社