自分は「団塊ジュニア世代の代弁者」――安住紳一郎が語る、令和のおじさん総括論
地位や学歴に固執し、ネットでもマウンティング。若い部下からは疎まれ、家族からも孤立する。ウザい、臭い、面白くない……「おじさん」を嫌う言葉は世にあふれている。「地震・雷・火事・親父」、かつては畏怖・尊敬の対象だった中高年男性たちは、なぜ冷遇されるようになってしまったのか? 自身を「おじさん」と公言するTBSの看板アナウンサー、安住紳一郎(47)に、「令和版・おじさんの取り扱い説明書」を聞いた。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル特集編集部、文中敬称略)
3年前、極秘ノートにしたためていた「おじさん総括論」
TBSアナウンサー、安住紳一郎。昨年から“TBSテレビ総合編成本部アナウンスセンター局長待遇エキスパート職”というなんとも長い肩書の役職に就き、“サラリーマンすごろく”の目を順調に進めている。もうすぐ48歳。「おじさん」が嫌われる現在の風潮について話を聞きたいと事前に伝えたところ、インタビューの場に現れた安住は手に3冊のノートを携えていた。 「これは、私が仕事のためにつけている極秘ノート。現在72冊目です。記録、検証、観察から悪口、絶対許さない人の名前まで。社外秘になっております。で、私も過去、このノートの中で、『おじさんはなぜ嫌われるか』について総括したことがあったので、持って参りました。えーと、『先輩は敬うべきだが、年長者や年上ほどスキルや判断能力が優れているというデータはない。いい文化ではあるが、儒教からくる信仰に近い。オランダの社会心理学者の調査です』と何かの記事を見たときの走り書きがあります。2018年、ヤフーさんよりさかのぼること3年前に、すでに私は考えていたんですよ」 極秘ノートをペラペラとめくり、独自の「おじさん総括論」を朗々と読み上げる。 「『変化のスピードが速くなり、オジさんの長い時間かけて培ってきた自慢の記憶、経験値が陳腐化してしまった。新しい問題に対しては若い人の方が優れている。』……自分も立派なおじさんなので、身内を売るみたいな感じですけど(笑)」