自分は「団塊ジュニア世代の代弁者」――安住紳一郎が語る、令和のおじさん総括論
時代は変わった。 昔のような「おじさん」になることはできない。それでも安住は「懐に飛び込むこと」をモットーに、他者と同じ経験をする、時間を共有することが後になって必ず役に立つと信じている。配慮はしながらも、なるべく後輩たちに“秘薬の壺”を渡せるようにと、連れていく場所のチョイスに余念がない。
生きづらいおじさん世代、「褒めてもらう」「チャレンジする」が鍵
「欲しい物もすぐには買えない。家族やローンの不安がある。体臭も気になる。男性の50代からは、厳しいですよ。理性も抑えづらくなる。ダジャレを言ってしまうのも、自身でストップかける前に、口から出ちゃうんですよ。厄介ですが、男の人は生物的に褒められないと調子が出てこない。健康な生活が送れないんですよね。だから、『信号を守る』的なレベルで『おじさんを見たら褒める』をみんなやってくれるといいですよね(笑)」
多忙を極めるおじさん安住紳一郎は、誰に褒めてもらうのだろう。 「あ、自分で褒めますね。もうね、恋愛とかで気持ちを燃やせるガソリンないんですよ。だからおいしいものを食べるとか、レストランで気持ちのいいサービスを受けるとか、美術館でいい絵を見るとか。俺、充実してる、いいねーって」 今秋からは朝の生放送番組の司会に就任予定。すでに超多忙な生活を送っているが、さらなる過密スケジュールが待っている。新たな一歩に対して何を思うのだろうか。
「嫌われないおじさんになるための唯一の方法、それは『チャレンジすること』だと思うんですよ。何か新しいことをやろうとしているおじさんは、初心者だから上から目線にならないので、嫌われモードに入りにくい」 新聞、シャンプー、行きつけの喫茶店の席。おじさんになると、変えることがおっくうになる。それでも、些細なことから変えてみることは、すでに「チャレンジ」。謙虚に新しいことを学ぶ姿勢が、おじさんを魅力的にするのでは、と安住は言う。 「私もそれを5年ぐらい前から意識して、常に人生に初(しょ)体験をということで、やるようにはしています。朝の生放送に関しても、実際には体力的にはきついと思うんですが、チャレンジしてみようと。すみません、宣伝でまとめちゃって(笑)」