北朝鮮、封鎖・監視で孤立深化 国際人権団体が報告書
【ニューヨーク共同】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは7日、2018~23年の北朝鮮の人権状況に関する報告書を公表した。国連安全保障理事会の制裁や北朝鮮の新型コロナウイルス対策による国境封鎖で、北朝鮮市民の生活は極度に悪化し、監視強化による人権侵害も深刻になっていると指摘。孤立化を深める北朝鮮に対して、対話を開始するように各国が促していくべきだと訴えた。 報告書公表に合わせて国連本部で会見した脱北者のリ・ソヒョンさんは「核・ミサイル開発は米国や韓国の侵略から守るために必要だと聞かされていた」と強調。「北朝鮮の金正恩(朝鮮労働党総書記)は国民より自らの権力を維持することを優先している」と批判した。 報告書は脱北者や、中国と北朝鮮の輸出入関係者らに聞き取りを行ったり、衛星画像を分析したりしてまとめた。 報告書によると、新型コロナが流行した20年以降、中国との国境沿いに500キロ程度のフェンスが新設された。付近の監視や警備のための施設数は19年時点より約20倍に増えた。