「こいつバケモノだ!!」クルマ好き興奮!? ディーゼル特急の「エンジン」を自動車っぽく語ってみたらスゴかった!
ディーゼル特急の歴史はパワーアップの歴史
クルマに関する話題では、古くからエンジンの最高出力が語られることがあります。高出力=ハイパワーは、永遠の憧れといっても過言ではありません。では鉄道の「エンジンで走る車両」は、クルマと比べてどれほどすごいのでしょうか。 【ブゥゥオォォォォォォォォーン!!!!!】クルマ好きが唸る「エンジン超スゴい」特急車両たち(写真で見る) 現在の鉄道車両ではクルマのように、エンジンで発電した電気でモーターを回して走るハイブリッド車両も続々と登場していますが、軽油を用いるディーゼルエンジンを動力とする「気動車(ディーゼルカー)」がまだまだ主流。都市間を結ぶディーゼルカーの特急列車も、数多く運転されています。 最初のディーゼル特急用気動車は、JRの前身・国鉄が1960(昭和35)年から投入したキハ80系です。当初は400馬力級のエンジンを搭載することを計画していましたが、開発の結果が思わしくないため、すでにキハ17系・20系・55系などに採用され実績を積んでいた「DMH17系」エンジンを1車両あたり2基搭載してカバーすることになりました。 DMH17系は、1970年代にかけ、国鉄のみならず私鉄の気動車にも採用された「標準型エンジン」とも呼べる存在で、直列8気筒・17リッター(1万7000cc)から、定格出力180馬力を発生しました。なお定格出力とは、最高出力とは異なり「その機関が安定した出力を連続して使用できる力」を意味しています。 しかし、DMH17系は基本設計が第二次世界大戦前に端を発する古いエンジンで、さらにキハ80系では蛍光灯・冷房装置などの発電用に2基のうちひとつを取られる車両も含まれるため、編成全体のパワーが落ちる欠点がありました。参考までに、エンジンを積まない食堂車・キサシ80を連結しない4両編成の場合、その編成出力は1080馬力です。 そこで国鉄は大出力エンジンの試作に再び着手。直6・15リッター+ターボによって300馬力級の出力を得た「DMF15系(DMF15HS型)」および、30リッターの排気量、バンク角180度のV型12気筒(まるでフェラーリ「BB」や「テスタロッサ」のよう!)から500馬力を達成した「DML30系(DML30HS型)」を開発し、1966(昭和41)年に製造された試作車キハ90系で試験運用を開始しました。