「生活が苦しい」と言っているシンママの友人。子どもを塾に通わせているけど…何か補助があるのでしょうか?
シンママ(シングルマザー)にとって、ひとりで子育てをすることは経済的に簡単なことではありません。家族からの援助が期待できなかったり、正職員ではなくパートやアルバイトとして勤務していたりする場合は、なおさらです。 しかし中には「生活が苦しい」といっていながら子どもを塾に通わせているシンママもいるようです。 そこで今回は、シンママの経済状況や子どもの教育で受けられる国や自治体の制度について調べてみました。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
シンママは生活が苦しい!? 平均所得はどれくらい?
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概要」によると、2021年度のシンママの総所得と内訳は以下の通りです。 ●総所得:328万2000円 ●稼働所得:270万6000円(82.5%) ●公的年金・恩給:10万2000円(3.1%) ●年金以外の社会保障給付金:40万9000円(12.5%) ●仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得:6万3000円(1.9%) 世帯全体の総所得の平均が545万7000円、児童のいる世帯では785万円であることから、シンママの生活は決して楽ではないことが分かります。 また、子どもの貧困率についても、子どものいる現役世帯が10.6%なのに対して、ひとり親の家庭は44.5%と割合は大きく、世帯ごとの生活意識をみても、「苦しい」の割合は母子世帯で75.2%です。
「生活が苦しい」シンママが受けられる補助はある?
生活が苦しいシンママは、以下のような国および民間の学習塾が設けている制度の活用を検討できる可能性があるようです。 ・自立支援給付金 こども家庭庁による、母子家庭の母または父子家庭の父の経済的な自立を支援する取り組みです。対象教育訓練を受講指定終了した場合に、かかった経費の60%(下限、上限あり)を支給する「自立支援教育訓練給付金」や、看護師や介護福祉士などの資格取得にかかる負担軽減をする「高等職業訓練促進給付金等事業」があります。 ・高等教育の修学支援新制度 文部科学省によると、「世帯収入や資産の要件を満たしている」「進学先で学ぶ意欲のある学生である」の二つの要件を満たしている学生を対象にした国の制度のようです。授業料・入学金の免除または減額、給付型奨学金の支援の二つの支援により、生活が苦しい母子家庭でも子どもを安心して専門学校や大学に通わせられます。 ・民間の学習塾が設けている授業料の減免制度 民間の学習塾では、一定の成績基準を満たした学生の指導料減免などの特典を用意している「特待生制度」を導入している場合があります。また、2人目の子どもの授業料を割り引く「兄弟割引」や、2つのコースを受講する学生を対象にした「併行受講割引」など、各種割引制度を用意している学習塾もあるようです。