【有馬記念】3歳馬の活躍に世代レベルは関係なし! タスティエーラ、ソールオリエンス好走の可能性は
3歳馬が有利な一戦
今週末は中山芝2500mで暮れの大一番、GⅠ有馬記念が開催される。絶対王者イクイノックスがターフに別れを告げ、今年のグランプリは群雄割拠の様相。ジャパンC3着の二冠牝馬スターズオンアース、天皇賞(春)勝ち馬ジャスティンパレス、宝塚記念でイクイノックスをクビ差まで追い詰めたスルーセブンシーズら古馬に加え、今年のクラシックホースであるソールオリエンスやタスティエーラら3歳馬も参戦。今年を締めくくるのにふさわしい豪華メンバーが揃った。 【有馬記念2023 注目馬】完成度と安定感◎、タフなレースは最大限に力を発揮できる舞台! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) <過去10年の有馬記念 年齢別成績> 3歳【4-3-2-16】勝率16.0%/連対率28.0%/複勝率36.0% 4歳【2-4-2-37】勝率4.4%/連対率13.3%/複勝率17.8% 5歳【4-3-5-45】勝率7.0%/連対率12.3%/複勝率21.1% 6歳以上【0-0-1-32】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率3.0% 有馬記念を予想する上で毎年欠かせないのが、「3歳馬と古馬、どちらが強い?」という話題だ。基本的には上記データが示すように3歳馬が圧倒的に有利。最大の要因としては、古馬と2kgの斤量差が考えられる。そこで、◎ソールオリエンス、タスティエーラといきたいところだが、今年に関しては3歳世代のレベルを疑問視する声も多い。 ダービーのタイムは直近10年で2番目に遅く、菊花賞で上記2頭は勝ち馬ドゥレッツァに3馬身以上の差を付けられた。そのドゥレッツァも、夏の3勝クラス戦では2着と僅か0.1秒差であり、世代全体のレベルを疑われても仕方がないだろう。2kgの斤量差は魅力的だが、世代全体のレベルには疑問が残る。この状況が今年の有馬記念をより難解にしている。 そこで今回の記事では3歳馬の取捨に生かすため、「3歳馬は世代レベルが低いと有馬記念で苦戦するのか」をテーマに調査を行う(参照するデータは2013~22年の10年分)。
実は世代レベルは関係がない
<3歳馬 芝2000m以上の中央古馬重賞の成績と、有馬記念の好走馬> 2022年 2勝(馬券内6頭) → イクイノックス(1着)、ボルドグフーシュ(2着) 2021年 3勝(馬券内5頭) → エフフォーリア(1着) 2020年 2勝(馬券内4頭) → 好走馬なし 2019年 1勝(馬券内4頭) → サートゥルナーリア(2着)、ワールドプレミア(3着) 2018年 3勝(馬券内4頭) → ブラストワンピース(1着) 2017年 4勝(馬券内7頭) → 好走馬なし 2016年 0勝(馬券内3頭) → サトノダイヤモンド(1着) 2015年 1勝(馬券内5頭) → キタサンブラック(3着) 2014年 1勝(馬券内3頭) → トゥザワールド(2着) 2013年 1勝(馬券内5頭) → 好走馬なし ※勝利数、馬券内数は有馬記念を除く 世代レベルの判断基準は多くあるが、この記事では「3歳馬の、芝中長距離の古馬JRA重賞での成績」をその基準として採用する。古馬相手の重賞で勝負になる3歳馬が多い世代ほど、レベルの高い世代だということになる。「3歳馬は世代のレベルが低いと有馬記念で苦戦する」という仮説が正しいなら、3歳時の古馬重賞での成績が悪い世代ほど有馬記念で苦戦するはずだ。 先に、結論から述べると、過去10年のデータからは「たとえ世代レベルが低かったとしても、3歳馬は有馬記念で馬券に絡んでおり、世代レベルと有馬記念の結果に相関はない」といえる。 これを如実に示しているのが2019年。それまで芝中長距離の古馬重賞で僅か1勝と、他と比べて明らかに苦戦していた世代であったが、有馬記念ではサートゥルナーリアとワールドプレミアの2頭が好走した。特にサートゥルナーリアは前走の天皇賞(秋)で斤量56kgと有利な条件だったが、6着と古馬の壁に跳ね返されていた。中山へのコース替わりと古馬と2kgの斤量差をフルに生かした上での好走だと言えるだろう。また、2016年も同様に、それまでに3歳世代が芝中長距離の古馬重賞を1勝もできていなかったが、サトノダイヤモンドが見事1番人気に応えて勝利した。 今年の3歳世代はこれまでに芝中長距離の古馬重賞を3勝しており、計6頭が馬券に絡んでいる。そのうち3頭が牝馬であることはやや気になるが、優秀な成績であり、有馬記念で好走馬が出ても全く不思議ではない。