被団協のノーベル平和賞受賞決定1か月、長崎で被爆2世が関連組織に加入「私にもできることがあるのかも」
長崎原爆資料館の入館者数が増加
市民の関心も高まっている。
長崎原爆資料館(長崎市)の10月の入館者数(速報値)のうち、個人は3万4486人で前年同月比約6000人増となった。外国人観光客も増えているという。
長崎県内の大学生らでつくる団体「MICHISHIRUBE(ミチシルベ)」は、小中学校での平和授業といった活動費を捻出するため、平和をモチーフにしたグッズを販売するなどしている。受賞決定でTシャツやショルダーバッグは完売し、在庫が切れたという。
代表理事を務める鎮西学院大(諫早市)3年の大沢新之介さん(21)によると、月1~2件の講話やイベント出演の依頼が、この1か月は5件に上った。「この機会を捉え、核問題に関心がない人への発信を強化する必要がある」と話す。
「長崎の鐘」外国人観光客も鳴らす
長崎原爆の日(8月9日)に合わせ、長崎市内では毎月9日、平和を祈る取り組みが行われている。受賞決定後初めて迎えた9日、多くの外国人観光客や若者らが各地の催しに参加した。
長崎の被爆者4団体の一つ「長崎県被爆者手帳友の会」は、原爆がさく裂した午前11時2分に毎月、平和公園の「長崎の鐘」を鳴らしている。この日も外国人を含む観光客ら約40人がロープを引いて鐘の音を響かせた。
原爆について知りたいと初めて長崎を訪れた米国人のデビッド・ウーさん(54)は「被団協の受賞は核兵器の脅威を広く知らせるために良いことだ。鐘を鳴らすことも風化を防ぐために意味がある」と語った。被爆者の竹下芙美さん(83)は「受賞を機に原爆に関心を寄せる人が増えてうれしい。国籍を問わず平和を願うことは私たちが望むこと」と述べた。