転職組を見ていると、ずっと同じ会社にいていいのか焦る…48歳・佐久間宣行が考える「会社の辞め時」
世代間ギャップが激しくなっていると言われる昨今。おじさん世代は若者世代を「理解できない」と否定し、若者世代はおじさん世代を「古い、いつの時代の価値観だ」と一刀両断する。しかし、どちらの世代にもそれぞれの思い、言い分がある。 【写真】メンタルの強い人が、なぜか絶対にやらない「意外なこと」があった! 『ゴッドタン』『トークサバイバー』などの人気番組で知られるプロデューサーの佐久間宣行氏は、現在48歳。職業柄、そして年齢的にも、おじさんと若者、両方の気持ちが分かるという強みを生かして、新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』(ダイヤモンド社)を刊行した。そこでこのたび、ビジネスシーンにおける2大“おじさんと若者のギャップお悩み”について、前編記事【「俺らの時代は…」が口グセの上司にウンザリする…佐久間宣行が明かす、昭和メンタルな上司との接し方】に続いて、相談してみた。 2つ目の“おじさんと若者のギャップお悩み”は「転職」観だ。終身雇用が崩壊しつつあると言われ、ステップアップのために転職を重ねるのも当たり前になってきている今。そこにはやはり世代間で大きな受け止め方の違いがあるようで……。 若者からの悩み 「転職の多い業界におり、優秀な人はどんどん転職してステップアップしていっている印象。それだけに自分はずっと同じ会社にいていいのかと焦る。若くて引きがあるうちに、転職活動をしたほうがいいのだろうか?」(29歳・コンサルティング)
今いる会社でリソースを使い倒してから辞めろ
これは、自分が仕事に何を求めるかによって変わってきますよね。「ゆるい職場である程度の収入を得ていきたい」というのならそれはそれで良いし、反対に今の仕事が向いてないと思うのなら、すぐやめるのもしょうがないとは思います。 だけどステップアップということで考えているなら、今いる会社でリソースを使い倒してからやめたほうがいいと思う。少なくとも僕はそう考えていました。テレビ局というのは正直、成長企業だとは思えない。だけどエンタメを作るうえではリソースがあるので、エンタメを作る知見はある程度得られる。そういう点ではメリットの大きい会社だと思ったので、実際に僕はそのリソースを使い倒してからやめました(笑)。 だから、なぜ転職したいのか考えることが大事だと思います。何かがツラくてやめたいのなら、それは部署異動で対処できないのか、あるいは業界ごと変える必要があるのか、など。そうじゃなくて本当にステップアップをしたいなら、リソースを使い倒して知見を得てからやめるほうが、僕はオススメです。そのためにも、最初はとりあえず大きな会社に入ったほうがいい。大手はやはり得られる知見が多いので、リスクヘッジになりますから。 そういう考え方なので、僕は後輩から「辞めたいんですよね」と相談されたとき、けっこう止めます。本人はステップアップのためと思っているけど、実は上司が嫌だとか、思ったような評価が得られないからとかで、隣の芝生が青く見えているだけの人が多いから。やはり転職って人生がかかっていますから、「一回酔いを覚ましてから判断したほうがいいよ」と、そこはけっこう容赦なく言いますね。実際、その場の衝動でやめた後輩はその後あまり上手くいってないですから。 一方でおじさん世代の“転職”に関する悩みは、大きく2つあるようだ。それは自身の転職に関するものと、部下の転職に関するものだ。 おじさんからの悩み(1) 「今の仕事は成長産業とは言い難く、いつリストラに遭うか分からない。まだ転職可能な年齢のうちに成長産業に移ったほうがいい気がしているが、新しいところで自分が通用するのかという不安もある。これからはおじさんも積極的に転職したほうがいいのだろうか?」(41歳・メーカー営業)