浅野忠信主演映画『レイブンズ』本予告&本ポスター公開
ハリウッド製作ドラマ『SHOGUN 将軍』出演で、日本人初となる第82回ゴールデングローブ賞助演男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞、全世界が注目する国際派俳優・浅野忠信が伝説の写真家・深瀬昌久を演じる最新主演作、仏日西白合作映画『レイブンズ』の本予告&本ポスター・ヴィジュアルが決定。3月28日(金)より東京・TOHOシネマズ シャンテ、東京・新宿武蔵野館、東京・ユーロスペースほかにて全国公開されます。あわせて、新スチールとマーク・ギル監督のコメントも公開されています。 本予告は、伝説の天才写真家深瀬昌久と妻・洋子を演じる、浅野忠信と瀧内公美の、刺激的な“屠殺場”でのフォト・セッションの初デート、庶民的な団地での幸せな新婚家庭シーンを経て、芸術と生活の狭間で愛憎が募っていきます。 「そんなものの後ろに隠れてないで…。私を見てよ…カメラじゃなくて眼で見て」。洋子の慟哭が切なく、父や助手、果てには鴉の化身からもダメだしされ、写真の魔に獲りつかれていきます。ナイフをギリギリと突き立てる深瀬、そこには切り裂かれた最愛の洋子のポートレートが――。鴉、サスケなど深瀬昌久の名作写真が随所に登場し、否が応でもドラマティックに心を揺さぶられます。 本ポスター・ヴィジュアルは、マーク・ギル監督による浅野忠信、瀧内公美のモノクロの特写がメイン。互いを鎖で縛りつつ、愛し合い、傷つけあい、強い眼差しで夢を追い続ける深瀬と、ミューズ以上の存在感の洋子。危険性を孕んだ運命の恋を表現。スペインで活躍する書家・永田充の書『鴉』を大胆に配置しており、キャッチコピーには「完璧なショットが、愛を犠牲にしていく」と掲げられています。 新スチールは、30代の新婚のラヴラヴモードの深瀬、北海道の実家で結婚報告の緊張の深瀬、NYで成功したドヤ顔の深瀬、40代の妻と別居し泥酔の深瀬、様々な表情の浅野忠信の魅力が映し出されています。 本作では、森山大道らと米・ニューヨーク〈MoMA“New Japanese Photography”展(1974)〉で発表し絶賛を浴びた伝説の写真家深瀬昌久の78年にわたる波瀾万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いています。写真に憑りつかれた天才の狂気と、撮ることでしか愛しかたを知らなかった純粋さを、繊細かつワイルドに演じた浅野忠信の魅力が炸裂しています。 深瀬の“最愛の妻であり最強の被写体”洋子役に、瀧内公美(『由宇子の天秤』『敵』、大河ドラマ『光る君へ』)。ミューズという古典的役割を軽々と飛び越え、美しく自由な圧倒的存在感で演じました。 また、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀ら実力派俳優が脇を固めており、「深瀬昌久1961-1991レトロスペクティブ」展(東京都写真美術館・2023)では、プライベートを晒しながら、狂気、被写体への愛、ユーモアが混在し唯一無二、その革新性で若い世代を魅了。本作では、深瀬の35㎜フィルム作品が多数登場し、見る者の心を揺さぶり、鷲掴みにします。 国際映画祭は、アメリカ・オースティン映画祭では観客賞受賞、そして東京国際映画祭、台北金馬映画祭に続き、レッドシー映画祭にも出品を果たし、全世界で高評価されています。 [コメント] 深瀬昌久の作品に触れるたびに私はそのむき出しのエネルギーと卓越した技法と力強い息吹に驚かされる。 そして彼の歩んだ悲劇的にドラマチックでありながら滑稽でもある人生を知った瞬間、彼の物語は素晴らしい映画のテーマになることを確信した。 『レイブンズ』は何年にもわたって繰り広げられるある種壮大なラブストーリーであるが、それは使い古された意味でのラブストーリーではない。洋子との結婚生活を例えるなら急激に変化する戦後の日本という激流をボートで下る無謀な舟遊びとでも形容するべきかと思う。 私は洋子を形容するのに「ミューズ」という言葉は使いたくない。洋子は、まだ女性が自分の生き方を確立するのが困難だった日本の社会で、時代の先を歩いていた。一方で、日本の伝統や因習の中で尊敬されるべき存在であろうとした。 その意味で『レイブンズ』は日本社会と家族を描いた映画になるであろう。伝統と歴史を犠牲にして新しい文化に傾いていく日本。欧米文化の流入と60年代70年代にピークを迎える快楽主義思想の中で、深瀬は敗戦後の混乱と古い世代との隔絶の狭間で変わっていく日本の中心に自分がいることを認識していたのである。 ここ数年来、世界の映画ファンから実話の映画化に対する欲求が高まっているのを感じる。ここに世界的な評価の高まりとともに20世紀最高の写真家の一人として言及され始めた深瀬昌久という写真家の物語がある。 ――マーク・ギル(監督) (C)Vestapol, Ark Entertainment, Minded Factory, Katsize Films, The Y House Films