「会社は何もやってくれない」…大きな組織に所属する人ほど陥りやすい“危険な思考パターン”【アンガーマネジメント協会代表理事の見解】
職場環境や体制が整っていないことに不満を抱いたことがある人は多いでしょう。特にコロナ禍においてリモートワークが急増した際、「会社は何もしてくれない」との声が多く聞かれました。しかし、企業の体制は短期間で整備できるものではないことが明るみとなった今、私たち自身がどのように対応するか、その柔軟性が問われる時代となりました。本稿では、研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、会社に不満を抱いた際、それを自己成長の機会やキャリアアップのきっかけに変えるための実践的な方法について、一部抜粋・編集してご紹介します。 都道府県「従業員の労働時間」ランキング
「会社は何もしてくれない」という考えはやめるべき
Q:会社の体制が整っていないことに不満がとまりません A:いまできることに目を向けよう 「会社は何もしてくれない」という姿勢を「自分にできることは何か」という考え方に改めましょう。 コロナ禍では、リモートワーク環境の整備に対する不満を多く耳にしました。わからなくはないのですが、企業の体制はすぐに変えられるようなものではありません。自分の期待通りに、迅速には動けないものです。 不満がわいたとき、「会社は何もしてくれない」という考えを持っていると、余計にイライラしてしまうだけです。一方、やらなければいけない仕事を順調に進めるために「自分に何ができるかな?」と考えると、ストレスも軽減するでしょう。 すぐにリモートワークに移行すると予想していた企業は、はじめはそう多くはなかったはずです。緊急事態宣言が出たとき、在宅になる従業員をどう動かしていくか、決まっていない会社がほとんどだったのではないでしょうか。 従業員全員の無線LANの環境が整っているかどうかも把握できていない。でも、やらなければいけない仕事は山積みになっている。そんななかで、それぞれのチームが、とにかくやるべき仕事を進めた……という状況だったのではないでしょうか。