ドーハ世陸男子100mでサニブラウンはスタートで出遅れなければ決勝進出できていた?!
準決勝は9レーン。陸上競技は明確なルールが決められており、上位通過4名は「シードレーン」と呼ばれる中央のレーン、それに続く中位の2名は外側の2レーン、下位の2名は内側の2レーンに割り振られ、それぞれ抽選によって走るレーンが決まる。 サニブラウンは予選3着だったため、外側のレーンに入った。5レーンを走った前日の予選は通常通りに聞こえており、予選を2着以内に入っていれば、中央のレーンに入っていたはずなので、今回のようなアクシデントに遭わなかったかもしれない。そういう意味では100mは予選から、しっかりと上位で通過することが大切になる。 致命的な遅れとなったが、スタート後の走りは素晴らしかった。世界大会のセミファイナルで後半はグイグイと追い込んだ。 「遅れたけど、そこから持ち直して、いいところまで持っていくことができました。スタートしてからは直線状に出て、すぐに顔を上げたりせずに、『一歩一歩しっかり踏んで、肩から加速して行け』というコーチの言葉通りに走れたので、追い上げられたと思います。中盤から後半にかけての走りは、より自信になった。最初の部分をうまく組み立てていければ全然(世界と)戦えるレベルまで来ていると思います」 レース後の取材を笑顔で対応したサニブラウンには“明るい未来”が描けているようだった。 2組を走った小池もスタートで失敗した。 「隣からガチャと聞こえたので、自分が反応してしまった」とスタートのやり直しを取られると思ったという。リアクションタイムは0.185秒とサニブラウンほどではないが、少し出遅れている。 一方、桐生はスタートが素晴らしかった。リアクションタイムは準決勝を走った24名のなかで2番目となる0.125秒。前半はトップ争いを演じての6着だった。 「1位を取ってやろうという気持ちでスタートに立ちました。自分のやりたかった走りができた部分とできない部分があった。完全にできていれば通っていると思います。前半から中盤は、自分のなかで良かったと思うので、中盤の加速局面をあと5m伸ばしていきたい。世界大会のファイナルは遠く感じなかったので、そこは自信を持って来季に臨めるかなと思います」