部課長にはなれない人材をどうするか…辞められると困る中堅社員の離職を止める上司の"ねぎらいフレーズ"
■将来の不安が見えてくる世代 また、長く勤めることで業界の動向や社内事情に詳しくなり、業界や会社の将来に不安を覚えると、まだ転職できる年齢のうちに転職しようという動機が強まります。 今は市場の変化が速いため、業界の動向に敏感な人も多いことから、その動向を踏まえたうえで、自社はどういう戦略を進めていくのかというビジョンや事業計画を定期的に示すことも重要です。 また、同世代の上位のように順調に昇進できず、職位が上がらない状況が長く続いたり、キャリアの頭打ち感が出てきたりした場合も離職の動機は高まります。 この点、部長、課長、マネージャーなどの公式の職位には限りがあるため、多くの人に望むキャリアを提供することは難しいと思います。 そこで例えば、部長代理、副部長、サブマネージャーといった職位を設けて職位の数を増やし、より多くの人が職位が上がる状況を確保するのも有効な方法です。 ■離職の抑止力となる部下との絆、上司との絆 この世代の人は、部下との絆が理由で離職を思い止まることがあります。 新人の頃から面倒を見てきた部下が、一人前に成長し、自分を慕って一生懸命に付いてきてくれている。そんな部下を置いて会社を去るのはしのびない。 このように部下との絆が離職の抑止力となるのです。 そのためには、本人が優れた上司となることが必要であり、そのためにマネージャー目標を設定し、マネージャーとしての成長を支援することです。 そして、マネージャーとしての成長が見られたら、しっかり褒めることです。 また、部下の成長を心から喜ぶ上司の存在も、離職の抑止力となります。 嬉しいことがあったときに我がことのように一緒に喜んでくれ、悲しいことがあったときは我がことのように一緒に悲しんでくれる。そうやって、深く感情を共にしてくれる上司には恩と絆を感じます。 そういった関わりも離職の強い抑止力となります。