急拡大ファストステーキ店とは?~人気のハンバーグ店も続々
「いきなり!ステーキ」創業者~81歳で新たな店を開業
4年前の番組では、「いきなり!ステーキ」創業者の一瀬と横川がこんなトークを繰り広げていた。 「やはり出店を急ぎ過ぎた。4年間で187店舗を達成して、5年目には『1年間で200店舗出す』と宣言して出した。お客様がいない所にも出店してしまった」(一瀬) 「一瀬さんは『いきなり!ステーキを日本一にしたい』という思いがすごく強いのだと思います。強すぎるから店をたくさん作ってしまう。すると不足するのは『人』と『いい立地です』(横川) この2年後の2022年、一瀬は社長を辞任。「いきなり!ステーキ」の現在の店舗数はピーク時の490店から半分以下にまで縮小したが、分厚いステーキでお客を喜ばせる創業以来のコンセプトは今も守り続けている。
一方、東京・墨田区の両国駅の近くで一瀬が新たな挑戦をしていると聞き、訪ねてみた。 その店「和牛ステーキ和邦」で提供されているのは、ジューシーでしつこくない上質な脂が特徴の和牛ステーキだ。 「サーロインステーキ」は300グラム6000円。肉を焼いているのは一瀬本人だった。2023年、一瀬は81歳にして今度はこだわりの和牛ステーキ店を立ち上げたのだ。 「円安で輸入牛の価格がどんどん上がっており、おいしい和牛を食べてもらいたいと思って。『何となく生きている』というのが嫌で思い切って……」(一瀬) 一瀬は「81歳の男の子」という自伝まで出版していた。
熾烈!珈琲チェーン戦争~焼肉店もうどん店も参入
番組はこれまで、熾烈な競争を繰り広げる珈琲チェーンも取りあげてきた。 横川が展開する「高倉町珈琲」は2013年の創業から10年で39店舗まで拡大。上品でゆったりした空間と、「リコッタパンケーキ」などのこだわり抜いたメニューで着実に客の支持を増やしてきた。ところが、そんな横川を襲ったのが空前の珈琲チェーン戦争だ。 2021年、コロナ禍の取材で、横川はこう予言していた。 「日本ではファミレスを含めて約1500店が閉店予定です。閉店した中の2~3割が焼肉とカフェになると思います。現に近くにライバルが出店しています」 今、郊外で続々と増える珈琲チェーン。1000店舗を超えた「コメダ珈琲店」に、「すかいらーく」が急拡大させる「むさしの森珈琲」。さらに都心の「ルノアール」も郊外型の「ミヤマ珈琲」を展開するなど、その争いは熾烈さを増し続けている。 神奈川・新百合ヶ丘で行列を作るのは、異業種が立ち上げた珈琲チェーン「コナズ珈琲」。42店舗を展開する店を作ったのはうどんの「丸亀製麺」を展開する「トリドール」だ。まるでハワイに来たような雰囲気の中、本場のコナコーヒーやトロピカルなスイーツが楽しめると人気を呼んでいる。 2023年6月、東京・調布市にできた「果実屋珈琲」調布深大寺店も新規参入組だ。温かみのある木目調で、天井の高い店内。店の自慢は新鮮なフルーツをふんだんに使ったサンドイッチや、いちごやオレンジが盛りだくさんのパフェ。フルーツにこだわったカフェ「果実屋珈琲」を作ったのは、日本屈指の焼肉チェーン「焼肉きんぐ」を展開する「物語コーポレーション」社長・加藤央之だ。 「『焼肉きんぐ』は現在300店舗あって、次をどうするか。新たなチャレンジをした方がいいと思います」(加藤) サンドイッチに使うパンはひとつずつ店内で焼き上げるこだわりぶり。もちろん、フルーツのおいしさには絶対に手を抜かない。この日使っていたのは「食べる宝石」と呼ばれ、糖度も高い宮城県産の「ミガキイチゴ」。あえて、安定した仕入れや鮮度管理が難しいフルーツを武器に、他の珈琲チェーンと差別化する狙いだ。 「1000円から1500円の客単価で圧倒的に確立されたカフェはないので、そこはチャンスがあると思っています」(加藤)