TikTok が検索連動型広告を開始したが、広告主はまだGoogleへの広告費を分配し直すことをためらっている
アルゴリズムの精度とマーケターへの影響
コントロールの問題、というよりは、コントロールの欠如の問題もある。TikTokの検索連動型広告は、昨年このプラットフォームが実験をはじめてからずっと、広告主にとって痛手だった。はじめはTikTokがすべてを牛耳っていて、どのクエリでどの広告が表示されるかを決めるのもTikTokだった。 新しい設定により、より多くの選択肢がマーケターに与えられるようになったが、それもある程度というレベルだ。マーケターが関連するキーワードを選んだり、TikTokのシステムがマーケターの入力に基づいておすすめのキーワードを示したりすることは可能だ。 そこに行き詰まりの原因がある。最初のテストでは、パフォーマンスとブランドセーフティの懸念について改善の余地が大いにあったが、この問題はTikTokのアルゴリズムが有料インプレッションに値する検索語句をどのように決定するかに結び付いていた。合理的なものもあったが、完全に的外れなものや、ブランドにとってリスクになるものすらあった。 それでも、このような問題が初期にあったからといって、TikTokの検索連動型広告が最初から役立たないという意味にはならない。結局のところ、どんな新しい広告形式にも、マーケターからの懐疑論は当然のことで、TikTokの最新の広告形式には有利に働く長所がいくつかある。 まず、広告主はこの検索連動型広告のために新しいコンテンツを特別に作成する必要がない。既存の動画クリエイティブを使用できるため、少ない労力でキャンペーンに追加できる。さらに、TikTokは9月までに広告費の支払いを約束したユーザーに広告クレジットを与えると誘い、早期の導入を奨励している。投資額が多いほど獲得できるクレジットも多くなるため、実験したい広告主にとっては魅力的なオファーだ。 そのため、投資の価値があるとTikTokが証明できさえすれば、まだ解決すべきアルゴリズムの欠陥がいくつかあるものの、インセンティブと統合の容易さにより、TikTokの検索連動型広告は着実に支持を得るだろう。 「ソーシャルの観点からいうと、これは我々が待ち望んでいたコラボレーションだ」とデジタル広告エージェンシーのジャーニーファーザー(Journey Further)でインフルエンサーマーケティング担当ディレクターを務めるローレン・マクファーランド氏は述べた。 「これまでほとんどの広告主は、TikTokを認知度向上キャンペーンのいい選択肢のひとつとみなしていた。検索行動に合わせて広告をカスタマイズすれば、トピックを検索するユーザーに戦略的にリーチできる。検索連動型広告キャンペーン機能と検索連動型広告トグルがうまく統合されれば、検索機会を最大化し、コンバージョンを増やすという真の問題に解決策をもたらすだろう」。 [原文:TikTok’s Search Ads are live, but advertisers aren’t ready to reallocate those Google dollars] Seb Joseph、Krystal Scanlon(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:坂本凪沙)
編集部