「 MY G-SHOCK 」が生み出した情緒的な価値。顧客一人ひとりと向き合う姿勢で新たな購入層を創出
誰に、何を、どう伝えるか
DD:阿部さんは開発や商品企画に携わったのち、「MY G-SHOCK」プロジェクト立ち上げと同時に自ら異動を志願し、同チームに入ったと伺っています。部署移動に挑戦した経緯はどのようなものだったのでしょうか? 阿部:10年以上開発・商品企画を経験してきましたが、そこに居続けることに迷いがあったんです。B2C企業と言えど開発や商品企画はお客様との距離が遠い。一方で、デジタルマーケティングの領域は、お客様の動向やインサイトから実際に手を動かしてアクションを起こすことができ、魅力を感じていました。 もともと「MY G-SHOCK」の存在を聞いていたわけではないのですが、新たな挑戦をしたいと思ったタイミングで、社内でDX化を推進する組織ができたことも異動の理由のひとつです。 当時、社内ではECサイト上にCMSが入ったことで仕組み化が進み、分析の環境や精度も高度になってきました。MAの環境も整い、デジタルマーケティングのソリューションが揃いつつある時期だったので、これはやるしかないと思い、異動を志願したんです。 DD:開発や商品企画からデジタルマーケティング領域に移り、新たな視点や考えも開発されたのではないでしょうか? いま、ご自身がマーケティングをするうえで重要だと思う点を教えてください。 阿部:「誰に、何を、どう伝えるか」。これがマーケティングにおいて根源的なところではないでしょうか。「誰に」を考えるときは、N1分析やマスマーケティングなど多角的な視点で分析することが重要です。「何を」は、提供価値をどう捉えるかということ。物質的な魅力なのか、別の価値がないのか、ということを考えています。そして「どう伝えるか」は、施策の結果をデータとして捉えて次に生かせることを、伝える手段を選び取る際に大切にしていますね。 文/藏西隆介、企画・インタビュー/島田涼平(DIGIDAY JAPAN) 撮影/三浦晃一
編集部