毎朝のコーヒーが筋力低下を予防していた?最新の米研究結果で明らかになったことを解説
いつも飲んでいるコーヒーが、朝の活力を与えてくれるだけでなく、年齢を重ねても快適に過ごすことの手助けとなるかもしれない……? 新たな研究で、毎日コーヒーを飲むことと、筋肉量が多いこととの間に関連性があることが明らかになった。 【写真】朝のコーヒーよりも目が覚める7つの食べもの 説明しておくと、筋肉量とは体内の筋肉の量のことで、筋力、バランス、代謝を維持するのに役立つ。さらに、年齢を重ねたときに筋肉量が多いと、運動機能が高まり、転倒などのリスクが低下する。 では、コーヒーと筋肉量との間にはどんな関係があるのだろうか? 専門家による解説を見ていこう。 ※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
研究でわかったことは?
2024年8月に『Frontiers in Nutrition』で発表されたこの研究では、米国の8300人以上の成人を対象に健康データを分析。研究者らは参加者の筋肉量を骨密度スキャンで調べ、それをアンケート調査によるコーヒーの摂取量と比較した。 その結果、コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人に比べて筋肉量が11~13%多いことが明らかになったという。この結果を受け、研究者は、コーヒーは筋骨格疾患であるサルコペニア(筋肉減少症)の発症リスクを低下させるのに役立つ可能性があると結論づけた。さらに、ノンカフェインのコーヒーと筋肉量との間には関連性が見られなかったことも特筆すべき点だろう。 研究者は、「骨格筋量の低下リスクが高い集団では、コーヒーとカフェインの摂取量を適切に増やすことが推奨されるかもしれない」と付け加えている。
コーヒーは筋肉量を増加させる?
重要なのは、この研究が「コーヒーを飲むと筋肉量が増える」ということを証明したわけではなく、コーヒーを毎日飲むことと筋肉量が多いこととの間に関連性があるということを示しているだけにすぎないということ。 キートリー・メディカル・ニュートリション・セラピーの共同経営者で登録栄養士のスコット・キートリー氏は、この研究結果について、「『コーヒーを飲むだけで、年齢を重ねても筋肉量を維持できるようになる』という決定的な証拠ではありません」と話す。 しかし、キートリー氏はこの研究結果を「興味深い」と語り、「この研究は、コーヒーやカフェインの摂取と、骨格筋量の改善との間に明確な関連性があることを示している」と付け加える。 その理由についてキートリー氏は、カフェインの抗炎症作用と抗酸化作用が関係している可能性があると指摘。炎症は筋肉量の減少につながるため、炎症を抑えることで逆の効果が得られるかもしれないと説明している。 キートリー氏はさらに、コーヒーは損傷した細胞を排除し、筋肉の完全性を維持するのに役立つ可能性があるとし、「それは加齢に伴う筋肉の衰えを防ぐのに役立つかもしれない」と語る。