食卓に毎回出したい青菜は、まとめて冷凍、和え物に。管理栄養士が教える、フレイルを予防し健康なからだを作るアイデア料理
元気な体を維持するには、血管や骨、筋肉を健やかな状態に保つことが不可欠です。食事でそれらを強化するアイディアを、管理栄養士の本多京子さんが指南します(構成=上田恵子 イラスト=フジマツミキ) 小松菜・チンゲン菜の下ごしらえは… * * * * * * * ◆今日食べたものが明日の体を作る 私もついに昨年、後期高齢者の仲間入りをしました。この年になると、実に多くの同世代の方が「食」に悩んでいることに気づかされます。 なかには「料理をするのが面倒で、簡単なものばかり食べている」という声もありますが、シニア世代こそ何を食べるかを大事にしたいもの。人の体は口にしたものでできていて、今日食べたものが明日の体を作るからです。 健康寿命を延ばすには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。食の世界では、入れ代わり立ち代わりさまざまな食材・栄養素が持てはやされますが、そのブームに踊らされないようにしてほしいですね。 凝ったものでなくていいので、五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)を摂ることを目指しましょう。 とはいえ、シニア世代は、筋肉を作るたんぱく質が不足しがち。筋肉は24時間、休みなく分解と合成を繰り返しているため、たんぱく質が不足して筋肉の分解だけが進むと、筋肉量はどんどん減少するのです。結果、虚弱の状態に陥りやすくなります。いわゆる「フレイル」ですね。
フレイルを予防するためにも、肉や魚、卵、乳製品、大豆食品などで、たんぱく質をしっかり摂取しましょう。厚生労働省が推奨するたんぱく質の摂取基準は65歳の女性の場合、1日50g。これは卵に換算すると7、8個ですから、かなりの量です。 おすすめは、朝昼晩三食ごとに、2つ以上の食品からたんぱく質を摂ること。私は、朝は卵1個とともに、牛乳と手作りのカスピ海ヨーグルトを食べています。お昼は豆腐と簡単な肉料理、夜は魚と納豆というメニューです。 次に、血管や脳を健やかな状態に維持するためには、ビタミンB群やビタミンEが欠かせません。 サバやマグロ、イワシなどの青魚と、小松菜やほうれん草などの青菜に多く含まれています。青魚の缶詰と青菜を使った炒め物は、血液をサラサラにしてくれる最強メニューと言えるでしょう。 骨の主原料は、カルシウム。乳製品や小魚、大豆製品、海藻、青菜などに多く含まれています。栄養の吸収率が最も高いのは、牛乳やヨーグルトなどの乳製品。 朝に牛乳とヨーグルトをあわせてコップ1杯半摂ることで、1日に必要なカルシウムの半分がまかなえます。ただし、同時にたんぱく質を摂らないと骨は作られないため、肉や魚なども一緒に食べることが大切です。
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