バドミントン元世界1位・桃田賢斗が今季限りで現役引退 チームは指導者ポストを用意する意向
バドミントン男子シングルスで元世界ランキング1位の桃田賢斗(30)=NTT東日本=が今季限りで現役引退する意向であることが2日、分かった。複数の関係者によると5月に日本代表から引退後に、S/Jリーグが終了する来年2月にラケットを置くことを決めたという。この日開幕した同リーグにNTT東日本の一員として出場した桃田は勝利後、「選手としてS/Jリーグに出るのは最後。チームに貢献し、優勝したい」と話した。 【写真】トロフィーを手にする桃田 波乱万丈だった。エースに台頭した16年に違法賭博に関与し、同年のリオ五輪は出場停止。再出発し、18年に世界選手権男子単で日本勢初優勝を果たし、同9月には同初の世界ランキング1位に輝いた。20年の海外転戦時にマレーシアで交通事故に遭い右眼窩(か)底骨折。「(羽根は)思うように見えない」と後遺症の影響もあり、21年東京五輪は1次リーグで姿を消し、今夏のパリ五輪出場にも届かなかった。一時代を築いた選手だった。 チームは引退後に指導者のポストを用意する意向だ。この日は5月のトマス杯以来の実戦で大同特殊鋼の曽根雄太(28)を2―0で一蹴し、チームの勝利に貢献。変わらぬ強さを示したバドミントン界の“キング”は「競技の楽しさを子供たちに伝えたい」との思いを胸に、最後まで戦う姿を示す。 ◆桃田 賢斗(ももた・けんと)1994年9月1日、香川・三野町(現・三豊市)生まれ。30歳。小学1年で競技を始め、福島・富岡一中、富岡高から2013年にNTT東日本入社。18、19年世界選手権で2連覇。18年9月に日本男子シングルスで日本勢初の世界ランキング1位となり約3年間、その座を守った。21年東京五輪代表。全日本総合選手権は6度制覇。座右の銘は「感謝」175センチ。左利き。
報知新聞社