なぜ金持ちは「家計簿」を重視しないのか 元メガバンク支店長が教える「収入ー支出」より「資産ー負債」の考え方
人生も中盤にさしかかり、いつまで生きるかわからないし、いつまで稼げるかもわからない……。90まで生きるかもしれないし、100を超えるかもしれない。物価高が続き、給料も上がらず、なんとなく生活が苦しい時代。長生きリスクが心配でこの先、お金に困らない生活を送るには、どうしたらいいのか。お金に関する「教えて!」を解決する短期集中連載。第一回のテーマは「お金が減らない生き方、暮らし方」。 【注目ランキング】役員報酬のベスト50はこちらから 企業のベスト30も(全5枚) 答えるのは、元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さん。48歳でリタイアし、現在は10棟のアパート経営で年間7000万円の不動産収入があるそう。聞き手は、貯蓄が苦手で「入った金は使うもの」がポリシーのバブル時代に青春を謳歌した女子、バブ子です。教えて、菅井さん! ■夫なし、職なし、お金なし(僅か) 菅井:ある女性、美子さん(仮名、40代)のケースからお話しします。彼女は、海外赴任の夫とともに、海外を渡り歩いてきました。現地では働かず、友人を自宅に招いてお茶を飲んだり、お稽古事をしたり。優雅な海外生活でした。高身長、高収入、高学歴の「3高」の夫を持つ、容姿端麗な方です。しかし、人生が一転します。夫から「別れてほしい」と離婚を切り出されてしまいます。財産分与で得た額は、なんと500万円。夫の資産は1000万円の現金のみでした(理由は最後まで明かされず)。50を前にして、夫なし、職なし、お金なし(僅か)の生活に。長年染みついた贅沢な生活からの脱却は厳しいものがあります。50、60となっていざお金が必要となったとき、先立つものが何もないのは非常に危険。美子さんのように離婚までいかないまでも、夫が定年退職して収入が減っているのに生活レベルを落とせない人はたくさんいます。その結果、お金が湯水のようになくなっていく。とくにバブル世代の女子はキケン。お金を「管理」できない人が多い印象です。 ――み、耳が痛い…。どうすればいいのでしょう。 菅井:あたり前ですが、まず基本はきちんと収入と支出の「管理」をして、収入の中で暮らすということが大切です。そのうえで重要なのは、お金の話は「資産」を含めて見るということです。