なぜ金持ちは「家計簿」を重視しないのか 元メガバンク支店長が教える「収入ー支出」より「資産ー負債」の考え方
菅井:そうです。 ――借金をしてお金を回すという感覚がなかなかもてないバブ子には目から鱗。でもクレジットカードはどんどん使ってしまいます。 菅井:借金には2つ種類があります。いい借金と悪い借金です。新しいお金を運んでこない借金は悪い借金です。クレジットやカードローンは計画性が大切です。これで破綻した人も少なくないんです。年収1200万円で、月の手取りは50万円以上あるという人が毎月60万円以上を普通に使ってしまって。こっちで100万円、あっちで50万円。全部あわせて500万円ぐらいの借金を重ねた挙げ句、毎月の返済が回らなくなってしまう。カードローンが破綻への「最初の一歩」となるケースが非常に多い。 ■「稼ぐ力」だけでなく「管理する力」 ――どうすればお金に対する意識を変えられるのでしょうか。とても難しいです。 菅井:行員時代、お金が貯まる人とそうではない人の差をたくさん見てきました。たとえば「大企業にお勤めで年収が1300万円の45歳、だけど貯金ゼロ」という人もいれば、「中小企業のメーカー社員で年収は500万円。同じ45歳だけど預金が2000万円」という人。この違いは何か。お金を貯めるには、「稼ぐ力」だけでなく「管理する力」の両方を備えないといけないということ。私の周りには年収1200万円超なのに、貯金ゼロ、なんていう人がいっぱいいますよ。特にマスコミ(笑)。もう一度言いますね。一番大変なのは、バブルの意識が抜けないご主人任せの50代半ばから後半くらいのバブル女子なんです。 ――ガーン。次回、またお願いします。 次回の「教えて! 菅井さん」のテーマは、お金の借り方について。「家を買うのも、不動産投資も不安。銀行とどう付き合えばいいのか」です。 (構成・AERA dot.編集部・大崎百紀) 菅井敏之(すがい・としゆき)/1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後に、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。東京と横浜で支店長を務め、25年間銀行マンとして働く。48歳で早期退職。現在は10棟のアパート経営で年間7000万円の不動産収入を得ている。また、人気講師として全国で講演やセミナーを行っている。現在は帝国ホテル内でお金に関するさまざまな相談も受けている。著書に『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)など。https://www.toshiyukisugai.jp/profile.htm
大崎百紀