今日菊花賞!史上初の”父子無敗3冠馬”に挑む単勝1.1倍人気のコントレイルに死角はないのか?
前走の神戸新聞杯では、発熱で予定変更、しかも大外枠を引くという最悪の条件下でコントレイルに続く2着に入り、そこから上昇気配。コントレイルに対しては4戦4敗で勝負付けが終わっているとも見えるが、着差を少しずつ詰めてはいる。 ヴェルトライゼンデの池江泰寿調教師は、「すべての面で上積みがある。この馬にとって3冠の中では菊花賞が最適の舞台。他馬が苦しめば苦しむほど、うちの馬に有利に働く」と野心をのぞかせた。ディープインパクトの調教助手、オルフェーヴルのトレーナーとして、3冠達成の喜びと難しさを誰よりも知る池江調教師の言葉には説得力がある。 ヴェルトライゼンデは昨年の菊花賞馬ワールドプレミアを兄に持つ。 オルフェーヴルの主戦でG1での勝負強さが光る池添謙一騎手も、「末脚は確か。折り合いがつくので菊花賞が一番合っているんじゃないかな。オルフェのときの僕もそうでしたが、向こうは相当プレッシャーがあるでしょう。一発勝負なので最後の1冠を取りに行く」と闘志を燃やしている。 またセントライト記念を勝ち、4連勝と勢いに乗るバビットには、春にコントレイルが対戦した馬にはない強靱な先行力がある。 「状態はいいし、スタミナもある」と8年目の浜田多実雄調教師。初顔合わせで主役を慌てさせるシーンがあるかもしれない。 1週前に行われた秋華賞のレース後に微笑ましい場面を目撃した。デアリングタクトで史上初の無敗牝馬3冠を達成した松山弘平騎手に福永騎手が近づき、「おめでとう」と声を掛けていた。 そして福永騎手は、こう続けた。 「このタイミングで2頭、無敗の3冠の可能性がある馬が出るのは偶然じゃない」 改修前の最後の G1となる京都競馬場でさらなるドラマの続きを演じ切るつもりだ。 そう、歴史は繰り返す…。 (文責・山本智行/スポーツライター) ※オッズはすべて25日午前5時現在。