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令和最初の日本ダービーでなぜ波乱が起きたのか?

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THE PAGE

 何という結末だろう。26日、東京競馬場で行われた「令和最初」となる第86回日本ダービーは浜中俊騎手(30)が騎乗した単勝93.1倍の伏兵、ロジャーバローズが2分22秒6のダービーレコードで制した。2、3着には皐月賞で上位争いを演じたダノンキングリー、ヴェロックスが順当に入ったが、馬連、馬単、3連複、3連単で万馬券が飛び出す大荒れのレースになった。1.6倍の1番人気だった4戦無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアは直線で伸びあぐねて悪夢の4着。同じ角居厩舎のロジャーバローズに敗れるという何とも皮肉な結果となった。なぜ令和最初のダービーで波乱が起きたのか?

本命馬がレース直前に異常に興奮

 勝ったロジャーバローズは単勝12番人気。これまでのダービーで2ケタ人気の伏兵が勝ったのは1966年テイトオー以来実に53年ぶりだ。平成の世に起こらなかったことが令和元年に演じられた。  単勝9310円。これもダービー史上歴代2位の高配。 写真判定を待って初のダービージョッキーとなった浜中騎手は、「もう必死でちょっと残っているかなと思ったんですが、わからなかった。無になった、頭真っ白。ビックリしすぎてよくわからない。それくらいビックリした。実感がわかない。フワフワしている」と、興奮していた。  だが、角居勝彦調教師の優勝記者会見には何ともいえない空気が流れた。  単勝1番人気に支持された同じ角居厩舎のサートゥルナーリアが4位に敗れたのである。古くから「2頭使いは人気薄を狙え!」という馬券の格言があるが、あまりにも強烈な明と暗。大本命馬を破った“刺客”が身内にいようとは……。  “エース”に暗雲がたれ込め始めたのはレース直前だった。地下道を通って本馬場に入場、返し馬を終えてゲート後方で待機する輪乗りの段階に入ったあたりで異変が起きる。  クビを激しく上下にふり、異常な興奮状態。ゲートにはスムーズに入ったものの、同じく落ち着かない周囲の馬にあおられるように立ち上がりかけたところでゲートが開いた。案の定、出遅れたのである。  致命的なロスではなかったが、これで歯車が狂った。  ダービーで最も重要視される1コーナーの入りで初めて両サイドからプレッシャーを受ける形となって揉まれた。これでリズムに乗り切れず道中は後方の競馬を強いられた。 母シーザリオの血統は、半兄エピファネイア(父シンボリクリスエス)、リオンディーズ(父キングカメハメハ)とも気性面に課題があり、ダービーでは、2、5着に敗れた。その点、父がロードカナロアにかわったサートゥルナーリアは気性が素直で操縦性が高いと言われていたが、仕上がり切ったことで、本能というか、血の宿命が出たのかもしれない。  オーストラリアの若き天才、ダミアン・レーン騎手も不測の事態に慌てたのかもしれない。それがパートナーにも伝わった。  「返し馬の感じは良かったが、時間がたつにつれて馬のテンションが上がってしまい、ゲートの中でガタガタしてしまった。なんとか落ち着いたかと思ったけど、ちょうど立ち上がったタイミングでゲートが開いてしまい出遅れてしまった」  騎乗停止のルメールに代わって”テン乗り”となったレーン騎手のレース後談話。  過去のダービーで本番乗り代わりで勝ったのは85年のシリウスシンボリが最後。初騎乗の騎手への乗り代わり勝利となると、実に54年のゴールデンウエーブまで遡る。大歓声の中でのスタンド前発走。異様なムードを勝ちきるためには、何レースかコンビを組むことで人馬の間に生まれる信頼や阿吽の呼吸が必要なのかもしれない。

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