今の時代、子どもは「大学」に進学させて当然ですか? 世帯年収「500万円」で、子どもも勉強が好きではないのですが、将来の選択肢を広げるためにも行かせるべきでしょうか?
大学無償化制度について
令和2年4月より、学びたい気持ちがあり、世帯年収や資産の要件を満たしている学生全員に対して授業料・入学金の免除・減免、給付型奨学金の支給をおこなう「高等教育の就学支援新制度」が実施されました。 支援の金額は世帯収入、進学先の学校の種類、自宅通学か1人暮らしかによって異なります。年収の目安は家族構成や年齢によって異なり、世帯年収と家族構成を入力して支援を受けられるかシミュレーションが可能です。 支援を受けるには、しっかりと授業に出席して勉学に励むことが求められます。成績が悪い場合や授業の出席率が悪い場合は、支援の打ち切りや返済を求められることがあるため注意が必要です。
大学に進学するメリット
大学に進学するメリットを紹介します。 ・専門的に学問を学べる 高校までの学習は学問の基礎といえるもので、大学ではより専門的な内容を学ぶことができます。基本的に大学生は自由な時間がたくさんあるので、学問に限らず興味のあることに知見を広げたり資格試験の勉強に励んだりすることも可能です。 ・大学卒でないとなれない職業がある 医師、獣医師、薬剤師は大学で学び、国家試験に合格しなければなることができません。公立の小中高の教員も大学で所定の単位を取得して教員免許を得たうえで、都道府県の教員採用試験に合格する必要があります。弁護士、裁判官、検事になるには、司法試験に合格しなければならないため、大学で体系的に法律を学ぶ必要があります。 ・高校卒と比べて収入が多い 就職の際に大学卒であることが条件となっている企業は多いです。特に大企業ではその傾向が強く見られます。大学卒を条件としている場合、高校卒の人は受験資格すらありません。また、就職後も大学卒と高校卒では収入は大きく異なる場合が多いです。
世帯年収500万円では大学無償化の支援を受けられるケースは少ない
年収500万円の場合、大学無償化の支援を受けられるケースは子どもの人数が多い場合に限られます。また、学ぶ意欲があることが支援の大前提となっているため、勉強が好きではない場合は条件を満たしているとはいえないでしょう。 しかし、大学に進学することで卒業後に就く職業に幅が出ますし、年収も高校卒と大学卒では大きく異なることが多いです。専攻などにもよりますが、基本的に大学4年間は自由な時間もたくさんあるため、自分がやりたいことが見つかっている場合はもちろん、そうでない場合もさまざまな知見を広げられる良いチャンスです。金銭的な余裕があるなら、進学をめざしてはいかがでしょうか。 出典 文部科学省 令和5年度学校基本調査の公表について 文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移 文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部