「寿司といえば富山」は、なりえるのか! 富山県が挑む意欲的な地域ブランディングとは
自由な発想で寿司を再定義。そのキックオフイベントを体験
2024年、富山県では「ウェルビーイング」の向上を政策の柱に掲げ、一人ひとりが誇りと愛着を持つことができる富山県、さらには、魅力ある県に引き寄せられて、多様な人材が集う「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を目指していくという。 「寿司といえば富山」の関連画像 その取り組みの一つが「寿司といえば、富山」プロジェクト。10年後、寿司でイメージする都道府県としての確固たる地位を確立し、寿司を入口に富山に流動人口を増やしていこうというもので、食を媒介にした興味深い地域創生ブランディングとなっている。
自由な発想で寿司を再定義。そのキックオフイベントを体験
そんな富山が持つ地理的優位性×固有の食材の多様性に注目したプロジェクトのキックオフイベントが、6月に開催された「SUSHI collection TOYAMA」。参加したゲストは、県内外の美食家やジャーナリスト、インフルエンサーなど、20数名。1泊2日を通して「富山の寿司はなぜ美味い?」を実際に体験、『食楽web』でもその様子と可能性をレポートしていきましょう。
富山の地形と文化に根ざした、寿司を感じる体験ツアーへ
「寿司といえば、富山」プロジェクトは、富山の豊かな自然と文化を背景に、寿司の新しい形を提案し、国内外の観光客を魅了するもの。自由な発想で寿司を再定義し、イベントや教育プログラムを通じてその魅力を広く伝えていくという。 そのキックオフイベント「SUSHI collection TOYAMA」のプログラムも実にユニークな2日間であった。
1日目は北陸新幹線の停車駅・新高岡駅に集合後、観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール3号」に乗車し、「美食を生み出す富山の地質学教室」を体験するところからはじまった。車中で講師に迎えたのは、「ジオリブ研究所所長」であり、美食地質学者の巽好幸先生。車窓に広がる海と山の絶景を愛でつつ、標高3000m級の立山連峰と水深1000mの富山湾、高低差4000mの特徴的な地形を持つ富山県の地理的優位性を学ばせていただいた。