ドイツのスーパーでは空き缶で買い物できる。「日本もこれで良いかも」と思った、効率的でエコな仕組み
私はドイツに住んで6年になる。ドイツは外食の価格が高いことあって自炊をする人が多く、スーパーマーケットはとても身近な存在だ。 【全画像をみる】ドイツのスーパーでは空き缶で買い物できる。「日本もこれで良いかも」と思った、効率的でエコな仕組み なんとなく慣れてしまっていたが、先日一時帰国した際に、日本のスーパーと担っている役割が少し異なっている事に気づいた。
資源ごみはスーパーでお金になる
日本で暮らしていたときに感じていたのが「ごみの捨てづらさ」だった。自治体にもよるが、特に缶やペットボトル、瓶などの「資源ごみ」は回収頻度が低いことも多く、回収タイミングを逃すと1カ月近く家に溜めてしまったり、夏場などは衛生管理の面でも苦労することが多かった。 ドイツのスーパーには、そんなゴミの問題を解決する仕組みが備わっている。 ドイツのスーパーには、このような缶・瓶・ペットボトルの回収スポットが併設されていることが多い。 最初に見たときは、単なる資源ごみの収集所かなと思ったが、そうではない。ここで容器を回収に出すことで、換金することができるのだ。 ドイツではほぼすべての缶・瓶・ペットボトル容器にデポジットがかかっている。缶やペットボトルは25ct(約40円)、瓶は8ct(約13円)のデポジットを含んだ額で購入する。そして飲み終わった後にスーパーに持って行くと、そのデポジットを返してもらえる。 このおかげでスーパーに行くついでに飲み物のボトルを捨てることができ、また換金されるシステムのおかげで多くの人が能動的に回収に参加している。 結果的に家庭にボトルのゴミを溜めることもなく、またゴミの収集業者の負担も大きく減らすことができるというわけだ。 街中で飲み終わった後のボトルがゴミ箱のそばに置かれているのも見かけるが、それらを拾ってスーパーなどで換金したい人も多いので、路上に容器のゴミが残り続けることはあまりない。 生活困窮者や、スーツを着た勤務帰りのような人が拾っているのもよく見られる光景だ。 このシステムを最初に知った時はとても感動した。街や家が綺麗になり、しかもそこに清掃業者などの労力を割かなくて良い。そしてスーパーはどんな田舎にもかならず1軒はあるから、実践する市民にも負担が少ない。