ふとしたことが大事件に発展する! 巻き込まれ映画5選!
学生の書いた仮説が政府を揺るがす!『ペリカン文書』
ワシントンD.C.で最高裁判事を狙った重大事件が相次いで発生。その犯人をめぐって様々な憶測が飛び交う中、一人の法学生が打ち立てた仮説“ペリカン文書”が秘密裏に関係者の手にわたり、いつしかFBIや大統領周辺をも揺るがす存在となっていく―――。サスペンス作家ジョン・グリシャムが手がけた原作を、『大統領の陰謀』などで知られるパクラ監督が映画化。ひたすら点と線とを繋いで真実を追い求める緊迫のサスペンスとして、とても骨太な作りを構築している。 その前半では、仮説の正しさゆえに暗殺者の標的となるジュリア・ロバーツの逃避行が描かれ、数百人、数千人規模のエキストラを駆使した各場面のスケール感に驚かされっぱなし。また彼女がデンゼル・ワシントン演じる敏腕記者に共闘を求めてからは、映画がより堅実でエネルギッシュなエンジンを吹かせはじめるのも大きな見どころだ。政治、環境、ジャーナリズムなど様々なテーマを絡ませ、140分間走り抜けた先にはきっと、すべての謎が解けた納得感と、心地よい疲れが待っているはず。
文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushizu