広島・島内「調子の波を小さく」来季はチームの最多登板を奪回し年俸1億円の大台へ
広島・島内颯太郎投手(28)が6日、広島市南区の球団事務所で契約交渉に臨み、1800万円増の年俸8800万円でサインした。今季はチーム最多タイの11勝を挙げながら、2軍落ちを経験するなど調子の波が大きく、チーム最多登板も栗林に譲った。フル回転して最多登板奪回を誓う来季、キャリアでシーズン2桁セーブを経ない球団日本人中継ぎ投手では初となる年俸1億円の大台を目指す。 島内は会見で硬い表情を崩さなかった。8500万円の当初提示額から、2年間の登板試合数を訴えて300万円上積みに成功し、年俸8800万円でサイン。だが、最優秀中継ぎ投手に輝いた昨季に比べると、投球内容はやや精彩を欠いた。 「今年は調子の波が大きかった。納得した成績が残せていないので、その中では評価していただいたと思う」 勝ちパターンを担って奮闘した。登板数は栗林に次ぐ58試合。ただ、チーム最多タイの11勝を挙げた一方で6敗を喫し、防御率2・77、24ホールドでも数字を落とした。7月には不振で2軍落ちを経験。与四死球も昨季の17から29に増えた。 「(救援)成功率が昨年よりも低かった。打者ではなく、自分との戦いになってしまった登板が多くあった」 救援失敗13度の今季から、シーズン通して安定した成績を残し、絶対的なセットアッパーとして地歩を固めたい来季。オフは「下半身のパワーに比べると、少し弱い上半身中心に」トレーニングする意向だ。春季キャンプでは「ズレの少ない」フォーム体得に励む。 「登板数は以前からの目標。(今季は)栗林に届かず悔しかったので、チーム最多登板を目指したい。勝ちパターンで投げる以上、調子の波を小さくしないといけない」 チーム最多登板を果たせば23年以来2年ぶり。内容次第で大台が見えてくる。キャリアで2桁セーブを経ない球団日本人中継ぎ投手では初となる年俸1億円。島内は苦笑しつつ言った。 「1年間、結果を残せば、おのずとそういう金額に乗ってくると思う。目先の金額は考えず、自分の成績だけに集中してやりたい」 球団初の最優秀中継ぎ投手。次のそれは、念願の大台突破だ。 (江尾 卓也)