佐藤ママは、子どもが反抗期の時にはどうしていたの?「返事はなくても、親が一方的に話せばいい」
3男1女を育て、全員を最難関の東京大学理科三類に進学させた「佐藤ママ」こと、佐藤亮子さん。勉強法だけではなく、子どもへの声かけや接し方などの教育法も注目を集めています。佐藤ママは、子どもが反抗期の時にはどのようにしていたのでしょうか。親に口をきかなくなる時期の子どもとの付き合い方について、聞きました。(聞き手=平岡妙子「Thinkキャンパス」編集長) 【写真】3男1女を育て、全員を最難関の東京大学理科三類に進学させた「佐藤ママ」こと、佐藤亮子さん(写真=倉田貴志)
本人が言わないことは聞かない
――高校生の保護者の悩みとして多いのが、「反抗期」についてです。佐藤さんのお子さんたちには反抗期はありましたか。 特にありませんでした。ただ、男の子は全然話をしてくれないというのはありましたよ。同級生のお母さんとランチをしたときに、息子について「学校でこんなことがあったらしいわよ」って聞いて、「へー」みたいな。でも帰ってから本人に「こんなことがあったらしいわね」とは聞かないです。本人が言わないことは、よそから聞いても私はあえて聞かない。中高生くらいになったら、彼らの領域に踏み込まないようにするということは、大事にしていました。 子どもたちからは「ママ」って呼ばれていたんですけど、中学に入ったころから変わりました。長男は「お母さん」、次男は「母さん」、三男はどうなるかと思ったら「母上」になったんです(笑)。呼び方が変わっても、そこは突っ込まなかったです。何か考えがあって変えているのに、そこを「何で変えたの」って聞かれると、子どもはイヤですよね。娘はどうなるかと思ったら、ずっと「ママ」でした。 ――本当はいろいろ聞きたいけど踏み込まないようにすることに、葛藤はありませんでしたか。 私の母は、私が小さいころはあれこれ面倒を見てくれましたけど、中学生くらいからは踏み込んで聞いてこなくなりました。それが居心地がよかったので、親は聞かないほうがいいんだなと思っていました。 親は心配だからいろいろ聞くんでしょうけど、中学生くらいになって根掘り葉掘り聞かれると、「詮索されている」という感じになるんです。詮索されるのはイヤなものだと思うから、子どもがイヤなことはやめておこうと思いました。 ――子どもが話してくれないと、親はさみしいという気持ちになりますが、どうしたらいいですか。 「ママ、ママ」って何でも話してくれていたときを振り返って、「あんなにかわいい時代があったのに」と親は思いがちですが、いつまでもかわいいままでいいのか、と思いますね。子どもたちが話さなくなっていくのは、成長しているということだから、そこを喜んであげないと。子どもが大きくなっているのだから、親も考えを変えていかないといけないですよね。