JR東と松竹が業務提携 「デジタルエンタメトレイン」「巡業イマーシブシアター」など提案
JR東日本と松竹は11月18日、今後10年間の包括的業務提携を締結したと発表した。伝統芸能からアニメまで網羅する松竹のコンテンツとJR東日本の交通ネットワークを生かし、エンタメ観光の需要喚起や両社の施設が立地する地域の活性化を目指す。 【画像】MRゴーグルを使って電車内でもコンテンツを楽しめる「デジタルエンタメトレイン」 観光分野では、地域性のあるアニメや歌舞伎演目を生かした地域の“聖地化”に取り組む。旅行者がMRゴーグルを使って電車内でもコンテンツを楽しめる「デジタルエンタメトレイン」や、4Kオンライン会議サービスを用いて都市部で行われるイベントを地方の駅などで観覧できるようにする「巡業イマーシブシアター」といた構想もある。 両社の施設が立地する東京の浜松町、竹芝・東銀座エリアでは、旅行者にエンタメ観光の「街歩きプラン」を提案。Suicaのチケッティング機能で施設入場券の予約購入を容易にし、AI活用の健康状態チェックを提供するなど、観光と健康に資するエリア開発モデルを目指す。 また浜松町、竹芝・東銀座に高輪を加えたエリアでは、文化施設や史跡、水上交通などを活用してナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)を推進。地域の魅力を発信するとと共に消費を喚起する考え。「文化的に豊かな夜時間の過ごし方を提案する」(JR東日本)としている。 この他、JR高輪ゲートウェイ駅周辺の開発でも連携を拡大する。2025年3月に開業予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY」のオフィスビルに松竹が入居する他、ビジネス創造施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars’Hub」などの連携も進める。 業務提携の具体的な取り組みとして挙げたのは、JR東日本「大人の休日倶楽部」で企画した、歌舞伎座の「仮名手本忠臣蔵」貸切公演プランだ。初日は、専門家や落語家によるガイドを伴い、泉岳寺や吉良邸跡といった史跡を巡り、2日目に歌舞伎座で貸切公演を観劇するというプレミアムなプラン。宿泊には帝国ホテルなどを利用するという。料金は12万円から。
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