中古市場で「レトロiPhone」が人気? ゲオモバイル渋谷センター街店で販売急増の理由を聞いた
中古スマホを販売するゲオでは、2024年5月以降、中古市場で売れているiPhoneよりもさらに古い“レトロiPhone”がじわじわ売れているという。中古市場で現在売れているのは「iPhone SE(第2~3世代)」や「iPhone 11/12」シリーズ。古いものでも「iPhone 8」や「iPhone 7」に限られる。 【画像】エモい?iPhone 6sで撮った夜景写真 しかしゲオでは、それらのモデルよりもさらに古い「iPhone SE(初代)」や「iPhone 5s」「iPhone 6」「iPhone 6s」などが売れているという。この中で最も古いiPhone 5sは、今から11年前の2013年に発売された。いずれのモデルもOSアップデートは打ち切られており、現役機種として使うのは厳しい。そにもかかわらず、売れているというのはなぜか。ゲオモバイル渋谷センター街店に訪れて話を聞いた。
とあるユーザーの投稿でレトロiPhoneブームが過熱
ゲオモバイル渋谷センター街店で売れていたレトロiPhoneは、2024年2月~4月は1桁~2桁台だったが、5月には4月の3倍売れたという。きっかけは、とある韓国人が5月にXで投稿したこと。ゲオモバイル渋谷センター街店で、iPhone SEを6万~7万ウォン(約6500円~7500円)で買ったという内容のポストは瞬く間に拡散し、約2.2万のリポスト、約3万のいいねが付いた。 その結果、ゲオモバイル渋谷センター街店では、6月~7月にかけて、レトロiPhoneが5月の3~4倍ほど売れたという。その後、8月をピークに売れ行きは鈍化傾向にあるそうだが、ほぼ棚が動いていなかった2月以前と比べると、レトロiPhoneのニーズは依然として残っているそうだ。 昨今のスマートフォンはiPhoneをはじめ、ハードウェアとしてカメラ性能が向上していることはもちろん、「コンピュテーショナリー・フォトグラフィー」により、ソフトウェアで画質を自動補正することが当たり前になりつつある。一方、レトロiPhoneでは画質の補正を今ほど行っておらず、低画質な写真が逆にエモいと評価されることがある。ゲオストア店舗運営部 店長の石川理人氏は、「レトロiPhoneを使用して、あえて画質の低いカメラを使うことで、オシャレな感じの写真を撮れるので、Z世代を中心に人気を集めています」と話す。 ゲオモバイル渋谷センター街店でレトロiPhoneを購入するのは、9割ほどが韓国人で、年齢は20代前半が多く、女性が9割以上とのこと。ただ、日本でもレトロiPhoneブームは広がる兆候はあるという。ゲオホールディングス 社長室 広報 サステナビリティ推進課の中川稜氏は「岡山などの地域でも、古いiPhoneを買うZ世代の若い方がいます」と話す。「現状は落ち着きを見せていますが、日本でも波及する可能性はあります。何かしら別の契機があると、次は国内需要が増えるんじゃないかと感じています」(石川氏) 渋谷センター街店は訪日外国人が多く、加えて韓国ではTWICEをはじめとした女性アイドルも、レトロiPhoneを使っていることをSNSに投稿していることもあり、韓国人の購入が増えているようだ。そこでレトロiPhoneの在庫をなくならないよう、渋谷センター街店に集約している。中川氏によると、次いで秋葉原店もレトロiPhoneが売れているそうだが、「渋谷センター街店が異常値に近い」とのこと。