豪徳寺駅の魅力は「招き猫」だけじゃない! 南北の商店街におしゃれカフェ、西洋建築や銭湯も充実してた
◆豪徳寺の「招き猫」で開運祈願!
さて、豪徳寺駅を紹介するからには、その名の由来である「豪徳寺」をスルーするわけにはいかないでしょう。世田谷区を代表する寺社である曹洞宗・大谿山(だいけいざん)の豪徳寺は1480年に創建。江戸時代に入って1633年には彦根藩藩主・井伊家の菩提寺と定められました。それ以降の長年にわたって地域の中核となってきた寺社であり、国の指定史跡ともされています。 境内には井伊家の墓所をはじめとして歴史的に重要な史跡や見どころがいっぱい! 非常に荘厳かつ穏やかな気配で、実に500年以上も江戸~東京の街を見守ってきた風格をたたえています。取材した2024年12月上旬時点では境内のモミジが燃えるような鮮やかさで色づいていました。 境内の「招福殿(しょうふくでん)」は昭和16年に建立された建物で(2022年に改修)、多くの招き猫がまつられています。彦根藩主・井伊直孝公がこの寺の近辺で猫に手招きされ、寺内でとどまったことで雷雨の難を逃れた故事に由来するそうで、それ以来「家内安全」「商売繁盛」などを願う多くの人々が訪れています。招福殿の左脇に入ると、大小ものすごい数の招き猫が大集合! 1匹ずつであればかわいらしい招き猫も、ここまで集まると異様さや迫力すら感じられます。 このユニーク&どこかコミカルな様子を見るために、外国人観光客もたくさん訪れていました。豪徳寺は、movが2024年に発表した「インバウンド人気観光地ランキング」で、なんと浅草寺などと並んで7位にランクインしているのだとか。これだけ大量の招き猫戦隊が一斉に福を招いてくれるなら、さぞや運気もブンブン爆上げ……かと思いたくなりますが、実はそう単純にも行かないそうです。 豪徳寺の招き猫は一般的な招き猫と違い、小判を持っていないことが特徴です。これは猫が招くのは人と人との良縁であり、その縁を良い方に生かせるかは当人の心構えや努力次第、といった意味があるとのこと。こうした教えに日頃から親しみ、商店&客の縁や住民同士の縁を大切にし続けた人々が、現在でも豪徳寺周辺が人々でにぎわい続ける下地を作ったのかもしれないですね。 何事も待ち一辺倒だと良い結果は巡ってこないもの。積極的に考えて動くことも大切です。とりあえず本堂横の寺務所で「招き猫」を買ってみるところから始めてみてはいかがでしょうか。サイズによっては売り切れのものが出るほどの人気商品です。