田中希実、「慎重な準備」で好タイム 五輪切符狙う 陸上日本選手権
パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権第1日で、女子1500メートル予選に出場した田中希実は決勝に進出を決め、挑戦の第一関門を危なげなく突破した。 【別カット】女子1500メートル予選 2組1着で決勝に進んだ田中希実 女子1500メートル予選2組に出場した田中は、スタート直後は後方につけ、残り2周を切って先頭へ。ラスト1周で後続を突き放した。日本選手権の独特の緊張感の中、レース直前は満足いく状態ではなかったが、組1着で決勝に進み、「かなり神経質に、慎重に準備はした。だからこそタイムがよかったのかな」と振り返った。 800メートルと5000メートルを含め、4日間で最大5レースを走る。2022年の日本選手権も3種目に挑み、「挑戦者の気持ちで臨めた時間だった」。新たな意欲をかき立てられた大会となり、同年の世界選手権も3種目に出た。五輪開幕まで1カ月を切り、「無我夢中で駆け抜ける中、新しくいいイメージをつかみ直せる大会にしたい」。2年前同様の〝発見〟に期待する。 今月はケニアに渡って合宿を敢行。22年以降は何度も武者修行を行い、「今ではホームのように感じている」。中長距離で数多のメダリストを輩出してきた本場で、海外レースで培った実戦力やタフさを確かめながら、地力を増してきた。 代表入りを決めている5000メートルだけでなく、1500メートルでも五輪切符を狙う。28日の決勝へ、「陸上と真摯(しんし)に向き合えたというような時間にしたい」と言い聞かせるように話した。(小川寛太)