「2024年物流問題」で揺れる現場の生の声を清水和夫が聞く。働き方改革を自動運転やトラックGメンが救うとは?
自動運転=他業種参入もあるのか
清水:吉田さんは30台もトラックを抱えている会社の経営者でしょ。なんか相当ヤバいとか心配? 吉田:やっぱりこれから先どうなっていくかな?というのは、運賃が上がっていってちゃんとビジネスモデルとして成り立っていくのか?というのと、その反面、自動運転が増えすぎちゃうと、今度その大きい会社がシステムとして入ってくると思うんです。運送会社じゃなくても、もっと大きいシステム会社が入って走っちゃうと、ドライバーっていうのがもう輝けないというか、不要になっちゃうので、そうなった時って果たしてどうなるのかな?っていう風なことは不安には思いますね。 清水:ボクもSNSで去年あたりからこの問題をつぶやくと、吉田さんから「もっと本質的な問題を考えなければいけない」というコメントをいただいて。今の話が事業者の立場でいうところの問題。 最近、Amazonが送料無料の金額を2000円から3000円に上げたりとかは、物流の負荷がかからないように実質的な運賃の値上げを各事業者が今やっている。でも一番物流を使っているのはトヨタじゃないかな?と思うけど。
トヨタも物流改革が必要になる?
吉田:トヨタはやっぱり凄いですね。24時間かんばん方式で、必要な時に必要な量だけを…というのだから、ずっと走っているわけじゃないですか。 清水:トヨタも影響受ける? 吉田:それは受けるでしょうね。日本の自動車産業は凄いので、一番物を運んでいる。在庫を抱えない、最適ジャストインタイムで送られてくるというのが、それが完全にドライバーレスの自動運転になったら、トヨタにしてはすごくいいことだと思うんですけど。それって10年、20年かかるかな。 清水:20年くらいはかかるかな。トヨタもこの先、トヨタ的生産方式、ジャストインタイムも少し課題が出てきて、みんな見直さないといけないことになっていくんですね。 吉田:そうですね。極端な話で、今までの月間生産台数が同じ量できるかどうかと言ったら、ちょっとそこも難しいです。 清水:効率は落ちますね。我々消費者も「焼きたてのメロンパンをすぐ食いたい!」とか、そういうわがまま言っちゃいけない。Amazonでポチってやっても、1週間くらい経ってもしょうがないっていうくらいに思わないと。ユーザーがモンスター的に「早く持ってこい!」みたいなことを言うと、やっぱりどこかに負荷がかっていく。