「2024年物流問題」で揺れる現場の生の声を清水和夫が聞く。働き方改革を自動運転やトラックGメンが救うとは?
深夜の高速料金3割引きで、24時チョイ前の料金所手前はカオス状態
清水:高速道路の料金は12時(24時)を超えると3割引きでしょ。それはトラックの運転手さんが稼げないから一般道を走っていて、それは危ないから、じゃ高速道路を走ってもらって夜間は割り引く…という制度。東京の瀬田料金所(東名高速)手前の上り方向で23時57分ぐらいからスリーワイドになっていますね。で、24時過ぎるとみんなわーっと料金所に入っていく。一気に高速料金が3割減りますからね。 吉田:はい、そうですね。関西からだと大型トラックで、乗るとこにもよるんですけど大体、普通だったら1万3000円、1万5000円ちょっと。それが仮に1万5000円で4500円安くなったら全然違う。 清水:それは会社持ちじゃなくって運転さん負担? 吉田:本来は会社がすべて負担して、それをお客さんにいただくというのが本当なんですけども。その運賃のなかに高速道路代は含まれていますよっていうことになるので、その決まっているなかでいかに経費を減らすか?と思ったら、高速代を割り引くっていう感じですね。
SA、PAにいるトラックは“休まなきゃいけない”ルールがある
清水:最近、第2東名高速をよく使うんだけど、どのサービスエリアもトラックでいっぱい。昔はそうじゃなかった。やっぱり物流の絶対量って増えているんですか? 吉田:物流に関しては、まぁ今はちょっとへこんでいますけど、大体コロナ前からずっと一緒なんです。高速道路のパーキングエリアとかサービスエリアになぜトラックが多いかというと、トラックっていうのは「4時間走ったら30分休憩しなさい」というルールがあるんです。昔からあるんですけど守っていなかったというだけで。 清水:それが労働基準法で、運転手さんの職場改善ですね。 吉田:そうです。それが運輸支局などが監査に来た時にデジタコ(デジタルタコグラフ)とかを見られたら、「コレ、休んでないですね」とアウトになっちゃう。 清水:デジタルデータが残っちゃった。アウトになるとどんなペナルティが? 吉田:点数制になっていて、点呼していないですよねとか、健康診断受けさせていないですよね…というのが点数で溜まっていくと、「100日車」と言って1台の車だったら100日間ナンバープレート持って帰られたり。それが180日車だったら、仮に10台を同時に止められたら18日間ですから、1台だと180日間止めたりとかしなあかんということになって。 清水:ペナルティですね。 吉田:それがひどいと、営業停止10日間とかになってしまう。