【40代・50代の「性の痛み」解決】フェムケアの謎!セックスをしない&する機会がない人は、腟萎縮を放置してもいいの?
腟まわりの保湿マッサージと、おへそから下の筋肉を鍛える運動を!
「さて。じゃあさらに、『日常レベルでは、どんなことに気をつけていたらGSMの予防になるの?』という本題に移りましょうか。 GSMの症状が出る背景には、出産経験の有無、体型や体質の違いもあるんやけんどね。そういった中でもすべての人共通に提唱したいのは、この3つ! 『運動不足を避ける』 『喫煙習慣をやめる』 『腟まわりのマッサージを習慣にする』 『腟まわりのマッサージ』については、おもに②と③の予防や改善に効果があるので、あとから図解説明を参考にしていただくとして。その前にまず、次のデータを見ていただきたいんよ」
これは富永先生が「第30回日本性機能学会西部総会」で発表した、研究実験の結果だ。 「26~56歳までの13人の女性に8週間、女性ホルモンであるエストロゲンの有用成分エストラジオールを配合したオイルをデリケートゾーンに塗布して、腟まわりのマッサージを行ってもらったんです。 このデータについて、私が『興味深い』と思っているポイントとは何か? それは、『かゆみやにおい、性交痛は、更年期でエストロゲンの減少が引き金となって起こる症状だから、エストラジオールを配合したオイルマッサージ習慣で減少しているのね。一方で、腟の緩みについては、ほぼ改善していない』というところよ! つまり、緩みの原因は骨盤底筋力の衰えだから、女性ホルモンを塗布しただけでは改善しない…ということ。どうですか、わかりやすいでしょう?」 したがって、腟の保湿マッサージと並行して、筋肉のエクササイズも習慣にすることは、40代、50代、そして60代以降の人にも最も重要になってくるという。 「ちなみに喫煙NGのおもな理由は、末梢血管&血流を低下させてしまうから。皮膚粘膜の血流を低下させてしまうので、皮膚粘膜が薄くなるのに拍車をかけてしまうの。ほんでタバコの煙には発がん性物質が約70種も含まれるといわれていて(電子タバコも同様!)、口から吸うものではあるけれど、デリケートゾーンにも因果関係があることは、医学界ではすでに証明されておるんです。 だから。運動習慣もなく座り仕事で、日常的にタバコを吸っている人が、『私、尿もれなんてないし!』と言っていたとしても、その暮らしぶりのままでは先々どうなるか、想像がつきますよね?動かなければ血行も悪くなるし、筋肉はどんどん落ちていく。だから、腟萎縮だけを心配してたって仕方がない。 『子宮脱とか膀胱脱になりたくない!』『あそこが臭くなったりかゆくなったりしたくない!』と思うならば、ウォーキングでもスクワットでもピラティスでもなんでもいいから、おへそから下の筋肉を鍛えることを一日でも早く始めるべし!(あ、膝が痛い人にはスイミングを推奨します) そして、腟まわりはできるときでいいから、(できれば、顔と同じように毎日だけど)保湿&マッサージをしておくべし! ご相談者の方も、理解していただけたかしら?」 「人には言えない悩み」というのは、深刻になってから慌てるのではなく、自分の力で戻ってこられるレベルを日々自分でキープすることが大事だと富永先生。 そして、「なんか気になる…」と思ったときが、あなたのキッカケ。「習慣を変えるサインきたー!」と思って。最後に、ケアの仕方と、マッサージの方法をご紹介いただいた。 《腟まわりの保湿マッサージケア》