新紙幣になるタイミングって具体的に決まっているのですか? また、どういった理由でデザインが変更されるのでしょうか?
2019年に、日本の紙幣が新しく生まれ変わると発表されました。新たに肖像画のモデルとなる人物やデザインの一部などが少しずつ公表されましたが、2024年3月現在、いまだに新紙幣の発行は始まってはいません。発表からしばらく経過しているため、いつから新紙幣が出回るのかと不思議に思っている人もいるでしょう。 今回は、新紙幣発行の具体的なタイミングと、紙幣のデザインが変更される理由について紹介します。
新紙幣の発行は2024年7月3日から
新紙幣の発行は、2024年7月前半になるという発表は以前からありましたが、その後、同年7月3日から発行が開始されることが公表されました。同年3月の時点では、7日3日の発行もあくまでも予定とはされていますが、特にトラブルなどがなければ、このタイミングでの発行開始となるでしょう。 ・新紙幣の特徴 新紙幣は、まず肖像画のモデルとなる人物が変わります。1万円札は福沢諭吉から渋沢栄一へ、5000円札は樋口一葉から津田梅子へ、1000円札は野口英世から北里柴三郎へと変更されます。また、裏面に描かれる主なデザインも変わるので紹介しましょう。 現行の1万円札の裏面には平等院の鳳凰(ほうおう)像が描かれていますが、これが新紙幣では東京駅の丸の内駅舎へと変わります。5000円札は尾形光琳の「燕子花図」から藤の花へと変更されました。1000円札は富士山と桜が描かれていましたが、これが葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」へと変更されます。 植物や日本を象徴するモチーフなど、現行の紙幣から主となるデザインを引き継いでいる傾向がみられる点は興味深いところでしょう。 さらに、新紙幣にはこれまでとは異なるホログラム技術や高精細のすき入れなど、高度な加工技術が採用されています。全体的にはすっきりとした印象を持ちながらも、細かくみると複雑かつ微細な模様が刻み込まれている点も新紙幣の特徴です。
紙幣のデザインが変更される理由
キャッシュレス決済の利用者が増えつつある日本で、なぜ紙幣のデザインを新しくする必要があるのか、疑問に思っている人もいるでしょう。紙幣のデザインが変更される理由は、主に2点です。ここでは、それぞれを解説します。 ・偽造防止のため 新紙幣には紹介した通り、新たな技術を用いてデザインが施されています。これらは紙幣の偽造防止に役立つでしょう。特殊かつ高度な技術は偽造を困難なものとし、国民の安心の度合いを高めることに寄与します。紙幣への信用度を高めるためにも、定期的なデザインの変更は不可欠です。 ・より使いやすくするため 新紙幣はこれまでの紙幣と比べて数字が大きく表示されるなど、額面が認識しやすくなっています。これにより、海外の人でも紙幣の価値を把握しやすくなる効果が期待できるでしょう。また、識別マークの変更も重要です。従来の識別マークは同じ位置にあり、形だけが異なっていました。 新紙幣では識別マークの位置を変更することで、目の不自由な人でも、より紙幣の識別がしやすくなっています。